研究課題
気管支喘息は増加の一途をたどっており、その病態の解明に基づく有効な根本的治療法の確立が急務である。気管支喘息の長期寛解を期待できる唯一の治療法として抗原特異的免疫療法があるが、その有効性は不十分である。その原因としてアレルギー疾患患者の生体内にはメモリーTh2細胞のプールが既に形成されていることが考えられる。この問題点を克服し、抗原特異的免疫療法の有効性を高めるためには、メモリーTh2細胞のプールを縮小することが重要であるが、メモリーTh2細胞の除去に利用可能なメモリーTh2細胞に特異的に発現する細胞表面分子は未だ同定されていない。従って、本研究では、メモリーTh2細胞に特異的に発現する細胞表面分子を同定し、アレルギー疾患におけるメモリーTh2細胞の局在と機能を明らかにするとともに、同分子に対する抗体を用いたメモリーTh2細胞プールの縮小法を確立することを目的とした。平成24年度の研究では、シグナルシークエンストラップ変法とDNAマイクロアレイ解析を組み合わせて、メモリーTh2細胞に特異的に発現する細胞表面分子の同定を目指した。計3回のスクリーニングを行ったが、残念ながらメモリーTh2細胞に特異的に発現する細胞表面分子の同定には至らなかった。一方、スクリーニングに用いるメモリーTh2細胞のソースを検索する過程で、肺特異的にIL-25を発現するマウスマウスでは、肺血管周囲にTh2型炎症が自然発症し、血管壁のリモデリングが認められることが明らかとなった。さらにIL-25による肺血管周囲の炎症はNKT細胞依存的であることも明らかとなった。
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