研究課題
アレルギー反応の中心的な病態であるマスト細胞の脱顆粒反応の強さには日内変動があり、それは「体内時計」によって制御されていること、また副腎由来のホルモンがその日内変動の維持に重要であることを我々はこれまでの研究から見出した(JACI 2011)。それらの知見から、研究代表者らは、「体内時計」が神経-内分泌-免疫系の相互作用を仲介する重要な因子であり、それによってマスト細胞の脱顆粒反応が時間依存的に適切に調節されているという仮説を立て、本研究でその仮設について検証した。その結果、1.“中枢時計”である脳の視交叉上核を機械的操作によって破壊したマウスでは、皮膚ならびに全身性のIgE依存性の脱顆粒反応の日内変動が消失すること、2.マスト細胞特異的に体内時計が障害されたマウス(時計遺伝子Clock変異マウス骨髄細胞をIL-3/SCFの存在下で培養し骨髄由来培養マスト細胞を得たあと、マスト細胞欠損マウスに移入しClock欠損マスト細胞をもつマウス)では、皮膚ならびに全身性のIgE依存性の脱顆粒反応の日内変動が消失すること、をそれぞれ見出した(論文投稿中)。これらの結果は、神経系(視交叉上核)、免疫系(マスト細胞)のそれぞれにおける「体内時計」機能が正常にはたらくことによってマスト細胞の脱顆粒反応の時間依存的な制御が適切に行われていることを示唆した。これらの結果は、これまでの成果と合わせて神経-内分泌-免疫系が適切に相互作用するためにはそれぞれの系における体内時計の同調が重要であることを示した世界で最初の知見である。
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