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2013 年度 実績報告書

新規ユビキチン化阻害剤による線維化制御法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23659502
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

八木下 尚子  聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40367389)

キーワード関節リウマチ / 滑膜細胞 / シノビオリン / 小胞体関連分解 / 線維化 / 阻害剤
研究概要

近年の先端医療の進歩により難治性疾患に対する画期的な治療法が開発され、患者のみならず社会全体に福音がもたらされた。しかしながら慢性炎症の終末像である組織破壊と線維化は不可逆的な変化であるため依然重大な問題として残されており、線維化の制御が難治性疾患根絶のブレークスルーとなると考えられる。
我々は、関節リウマチ(RA)滑膜細胞よりE3ユビキチン化酵素であるシノビオリンを発見し、シノビオリンがRAの病態に深く関与していることを明らかとした。さらに最近、シノビオリンが肝線維化を制御することも明らかとなり、シノビオリンを標的とすることはRAや肝線維症など線維化疾患に対する革新的治療法の開発につながる可能性があると考えられた。そこで本研究では、我々が有する新規選択的ユビキチン化阻害剤(シノビオリン酵素活性阻害剤)により線維化制御が可能か否かの検討を行うことで革新的線維化疾患治療法の開発を目指した。
約 200 万個の化合物ライブラリーよりシノビオリンの自己ユビキチン化活性を指標としたスクリーニングにより得た 2 種類の活性阻害剤が、関節炎モデルマウスの病態発症に抑制的な効果を有することを明らかとした。そこで次に、この活性阻害剤が他の線維化モデルマウスの病態発症に対してどのような効果を有するかを検討するため、肝線維症モデル、腎臓線維症モデルのなど各種線維症モデル動物の作製を行った。さらに、作製した各種線維症モデルマウスに対する活性阻害剤の効果を検討したところ、2種の活性阻害剤のうちの1つLS-102が、シノビオリンの阻害活性作用を介して肝障害を抑制することが明らかとなった。以上のことからシノビオリンは線維化の進行に関与する因子であり、シノビオリンの酵素活性阻害が、線維化疾患の病態・治療に重要な標的分子であることのPOCができた。このことは今後の創薬開発に大きく貢献するものと期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Hrd1 suppresses Nrf2-mediated cellular protection during liver cirrhosis.2014

    • 著者名/発表者名
      Wu T, Zhao F, Gao B, Tan C, Yagishita N, Nakajima T, Wong PK, Chapman E, Fang D, Zhang DD.
    • 雑誌名

      Genes Dev

      巻: 28(7) ページ: 708-722

    • DOI

      10.1101/gad.238246.114.

    • 査読あり
  • [備考] 聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター 病因・病態解析部門

    • URL

      http://nanchiken.jp/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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