研究概要 |
全国の施設よりIgG4関連疾患の登録は約140症例あり、血清およびDNAサンプルも集まってきている。これらを有効利用し、IgG4の病因的意義の解明を行う事は、臨床診断の裏付けとして、基礎的な病因病態解析は必須であると考えられ、当研究によりそれを実現する。1)病理組織解析:IgG4関連疾患は病変組織に50%以上のポイクローナルなIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする。登録症例可能で使用可能な病理検体のあるものに関して、以下の検索を行った。a)免疫染色によりCD3,CD4,CD8,CD56,CD20,CD38,IgG,IgG4,IgG2,IgEの組織染色を行った。b)生組織検体がある場合は、Southern blot解析によるおよびTCR遺伝子再構成の解析を行った。c)必要に応じ、ホルマリン固定組織におけるIgH-CDR3領域およびTCRγ遺伝子のPCR解析を行った。d)オリゴあるいはモノクローナル・バンドを検出した場合は、遺伝子再構成バンドより塩基配列を決定しクロナリティの解析を行った。2)病因解析:IgG4関連疾患の病因病態解明のために、関連遺伝子検索および関連蛋白解析を行った。a)IgG4関連疾患における、IgG4産生機序の解析b)IgG4の病因的意義を明らかにするために、DNA micro array解析、蛋白SELDI-TOF-MS解析を行った。3)IgG4関連疾患における病態の機構解明とマーカーの同体を目指し、末梢血リンパ球から抽出した全RNAを材料としてDNAマイクロアレイによるトランスクリプトーム解析を行った。
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