イムノクロマト法を用いたMPB64を指標とする結核菌群の迅速測定法の検討を行った。 MPB64の量は菌数依存的な傾向がみられ、喀痰中の結核菌数の高い検体については液体培地との組合せにより、従来の培養法よりも短時間で結核菌を検出することが可能であった。 また喀痰直接法では、イムノクロマト用抽出液を用いて喀痰からMPB64を抽出することにより培養なしでも結核菌群を検出することが可能であった。検体前処理法の簡易化や、粘性の強い検体の均質化など課題は残るものの、今回の研究結果からイムノクロマト法によるMPB64の検出は、従来の検査法と比較して安価で迅速な結核菌群の迅速測定法となり得る検査法であると考える。
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