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2011 年度 実施状況報告書

オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症由来iPS細胞の相同組換えによる遺伝子修復

研究課題

研究課題/領域番号 23659511
研究機関東北大学

研究代表者

土屋 滋  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (30124605)

研究分担者 坂本 修  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20333809)
内山 徹  東北大学, 大学病院, 助教 (10436107)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードOTC欠損症 / iPS細胞 / 遺伝子修復
研究概要

先天性尿素サイクル異常症の一つであるオルニチントランスカルバミール欠損症(OTCD)は先天性尿素サイクル異常症の中で最も頻度が多く重篤な疾患である。 OTCの欠損により高アンモニア血症から脳への障害を来たし、その予後も悪いことから、本疾患に対しては以前より遺伝子治療が研究されてきた。本研究はinduced pluripotent stem cells(iPS細胞)を利用した安全な遺伝子治療法の開発が目的である。OTCD患者から樹立した皮膚線維芽細胞(fibroblast)はX染色体上のOTC遺伝子のExon5にpoint mutationが存在している。この細胞は、in vitroでの継代が可能である。このfibroblastに、レトロウイルスベクターによりcMyc、Oct3/4、Sox2、Klf4の各遺伝子をレトロウイルスベクターにて遺伝子導入し、そのごマウス胎児線維芽細胞(MEF)上にて培養し、iPS細胞を樹立した。iPS細胞は多能性マーカー(Nanog、Oct3/4、SSEA-3、SSEA-4、TRA1-60、TRA1-81)を発現していた。これらの細胞に相同組換えによる遺伝子修復を行うために、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)の製作を行った。正常人のゲノムDNAから、OTC遺伝子のExon5の両端に1-1.5kbの相同配列(ホモロジーアーム)を含む配列をPCRにて増幅し、AAVベクターに組み込んだ。ヘルパープラスミド(AAV-rep/capとAd-Helper)とともに、作成したAベクタープラスミドとともに293T細胞にトランスフェクションすることで、gene targeting (相同組換え)に使用するベクターを産生することが出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

iPS細胞を作成するには、培地や遺伝子導入の方法、試薬など微細な検討が必要である。また、iPS細胞樹立の際に使用するマウスの胎児線維芽細胞(MEF)も、そのロットによる樹立効率への影響がとても大きい。本来は、これらをかつて分担研究者である内山がiPS細胞樹立に使用したものをそのまま使用する予定で調整していたが、平成23年3月11日の東日本大震災にて、その大半の試薬、プラスミド、細胞が失われてしまい、全てを最初から作製する必要に追われてしまった。

今後の研究の推進方策

樹立したiPS細胞に、targeting vectorによる遺伝子導入を行い、相同組換えによる変異の修復を行う。シークエンス反応にて変異の修復を確認後に、in vitroにおいて肝細胞への分化誘導を行う。肝細胞への分化後にOTC活性のほか、アルブミン、AFP, AAT, alpha-antitrypsinの発現を確認する。またglycogen、LDLの取り込み やアルブミンの分泌能などを評価する。さらに、マウスを使った細胞療法として、重症免疫不全肝障害マウス(uPA-SCID)マウスを使用する。まずは遺伝し修復前のiPS由来肝細胞を移植し生着させる。その後、遺伝子修復iPS細胞由来の肝細胞を移植することで、尿中オロト酸の測定、肝臓のOTC活性やアンモニアのチャレンジテストを行い、有効性を評価する。

次年度の研究費の使用計画

研究費は、iPS細胞の培養、肝細胞への分化誘導の際の試薬、およびuPA-SCIDマウスの購入および飼育費に使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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