研究課題/領域番号 |
23659513
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松原 洋一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00209602)
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研究分担者 |
新堀 哲也 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40436134)
呉 繁夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10205221)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 遺伝性疾患 / 遺伝子解析 / シークエンス |
研究概要 |
本研究ではこれまでに病因遺伝子が同定されていない遺伝性疾患を有する家系を対象として、次世代高速シークエンサーと高密度マイクロアレイを用いた原因遺伝子の同定を実施し、病因遺伝子変異を同定しようとするものである。本年度は、(1)各検体におけるエクソン領域の捕捉・濃縮を行った~SureSelect Human All Exon Kit (アジレント社)を用いて、各検体のゲノムDNAから約38 Mbのエクソン領域(ヒトゲノム領域の約1%)を捕捉・濃縮した。(2)上記で得られた検体について、次世代高速シークエンサー(SOLiD™ 4 System、アプライドバイオシステムズ社)を用いた解析をおこない、全エクソンの塩基配列情報を得た。(3)エクソームシークエンス結果の情報処理による解析を実施した。まず、東北大学医学部の情報処理専門家の協力を得て、この部分の情報解析パイプラインの構築をおこなった。次に、(1)アミノ酸置換を伴う塩基置換、(2)エクソン/イントロン境界のスプライス部位に存在する塩基置換、(3)翻訳領域に存在する欠失・挿入を抽出したのち、dbSNPなどのデータベースに存在する遺伝子多型をフィルターして取り除くとともに、家系内での連鎖を検討した。(4)得られた候補遺伝子変異についてはキャピラリーシークエンサーによる遺伝子変異の再確認をおこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次世代シークエンサーの故障(結露、ソレノイドバブル動作不良など)のため、解析作業にやや遅れが生じたが、研究全体としてはほぼ順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1.次世代高速シークエンサーによる解析。前年度に引き続き解析を続行する。2.エクソームシークエンス結果の情報処理による解析。前年度に引き続き、必要に応じてフィルター条件を変えて候補遺伝子探索をおこなう。3.病因候補遺伝子の機能解析。エクソームシークエンスとマイクロアレイによって絞り込まれた病因候補遺伝子について、その遺伝子に関して過去に報告されている知見を参考に、遺伝子機能の探索と遺伝子変異による機能変化を解析する。候補遺伝子によって、生理学的な手法による実験、免疫学的な手法による実験など、現時点ではどのような手法が必要となるかは予測できないため、その都度、当該分野の専門家の協力を得ながら解析を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究全体としてはほぼ順調に進展しており、当初の計画通りの研究費使用を行う予定である。
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