研究課題
【具体的内容】平成24年度に実施した研究成果は以下の2点である。1.Copy number variationの比較 [担当:豊田、久保田]:前年度は、次世代シーケンサーにより双子間の全ゲノム配列差異の同定を行い、その結果、調べた限り、ユニークな配列における塩基配列の相違(SNP)は認められなかった。これを受けて、今年度は、繰り返し配列領域であるCopy number variation(CNV)の違いの有無を探索した。方法としては、2,419,193箇所のCNVを解析対象とするイルミナ社のHuman 610-Quad Beadchips を用いた。その結果、29カ所の相違候補箇所が見いだされた。しかしながら、digital PCR装置を用いた確認実験で、すべて再現性がとれなかった。このことからBeadhipsのデータは擬陽性であると考えられた。2.エピゲノム比較解析 [担当:久保田]:ヒトゲノム上の45万カ所のCpGサイトが搭載されたイルミナ社の450k BeadChipを用いて網羅的なDNAメチル化比較解析を行った。その結果、多数の箇所でDNAメチル化の双子間相違が認められた。その中で、特に顕著な差異を認め、またこの差異と呼応する遺伝子発現差異を認めた遺伝子領域が3カ所あり、これらは、本症候群の骨格異常の重症化との関連が推測される遺伝子(MKX)、神経機能異常の重症化との関連が予測される2つの分子(CKB, FYM)の遺伝子であった(現在、論文投稿中)。【本研究の意義】一卵性双生児でもゲノム配列に差異があるとの報告のあと、差異は見られないとの報告が相次いでいる。今回のわれわれの研究では、「差異はみられない」という意見を支持するものとなった。【本研究の重要性】一卵性双生児でもエピゲノムには相違があり、これが臨床像の相違につながっていることが示唆された(論文投稿中)。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)
PloS ONE
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Clin Epigenetics
巻: 4 ページ: e1
doi: 10.1186/1868-7083-4-1
Pharmaceuticals
巻: 5 ページ: 369-383
Hum Genet
巻: 131 ページ: 121-130
doi: 10.1007/s00439-011-1051-4.
PLoS ONE
巻: 7 ページ: e27782
doi: 10.1371/journal.pone.0027782
Am J Med Genet
巻: 158A ページ: 1292-1303
doi: 10.1002/ajmg.a.35321
http://www.epigenetmed.com/