Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)の病態にプロスタグランディンを介した炎症が関与していることを明らかにするため、患者尿中のプロスタグランディンD_2(PGD_2)代謝産物の解析と患者筋肉中のプロスタグランディン合成酵素の発現解析を行った。その結果、尿中のPGD2の代謝産物であるtetranorPGDMをDMD患者の早朝第1尿で測定したところ、正常より高いことが判明した。また、その尿中へ排出量の年齢変化をみると8歳からさらに急上昇することかが明らかになった。これはこの時期のDMD患者の歩行喪失時期と一致しており、病態的意義は深いものと考えられた。そして、この結果は、PGD_2合成酵素阻害剤によるDMDの治療の可能性を示唆する結果であった。
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