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2012 年度 実績報告書

チャネル病における発達障害の新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23659522
研究機関岡山大学

研究代表者

大守 伊織  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20403488)

キーワード発達障害 / チャネル病 / 神経伝達物質 / SCN1A遺伝子 / CACNA1A遺伝子
研究概要

チャネル遺伝子であるSCN1A遺伝子やCACNA1A遺伝子に変異を持つ患者では、高率にてんかんと発達障害を合併する。しかし、てんかん患者における発達障害の合併には以下の3つの可能性が考えられる。すなわち、①抗てんかん薬の副作用、②てんかんの二次的障害、③もともとの病因がてんかんと発達障害を発症している可能性である。ヒトにおいては、抗てんかん薬治療の中止や、てんかん発作の誘発はできないことから、①や②の要因を完全に除外して原因を特定することはできない。そこで、モデル動物を用いて、チャネル遺伝子変異に伴う発達障害の病態の解明と病態に基づく治療法の開発をめざした。
Scn1a遺伝子にミスセンス変異(ホモ接合)またはCacna1a遺伝子にミスセンス変異(ヘテロ接合)を持つラットを用いた。長時間ビデオ脳波解析によるてんかん発作の評価、網羅的行動テストによる発達障害の評価、組織学的検討を行った。
長時間ビデオ脳波解析で、Scn1a遺伝子にミスセンス変異(ホモ接合)またはCacna1a遺伝子にミスセンス変異(ヘテロ接合)を持つラットともに自発発作は認められなかった。網羅的行動テストにより、Scn1a遺伝子にミスセンス変異(ホモ接合)をもつラットでは、常同運動、多動、空間学習障害、固執、不安、協調運動障害が認められ、Cacna1a遺伝子にミスセンス変異(ヘテロ接合)を持つラットでは空間学習障害、衝動性、空間学習障害、固執、協調運動障害を合併することが明らかになった。また、組織学的検討により、Scn1a遺伝子にミスセンス変異(ホモ接合)および、Cacna1a遺伝子にミスセンス変異(ヘテロ接合)では大きな形態学的変化は認めなかった。チャネル遺伝子異常に伴う発達障害では、抗てんかん薬の影響、てんかん発作による二次的障害の影響がなくとも発達障害を発症することが明らかになった。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Inhalation of 10% carbon dioxide rapidly terminates Scn1a mutation-related hyperthermia-induced seizures.2013

    • 著者名/発表者名
      Ohmori I
    • 雑誌名

      Eplepsy Res

      巻: 999 ページ: 999-999

    • DOI

      pii: S0920-1211(13)00016-8. 10.1016/j.eplepsyres.2013.01.003.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CACNA1A variants may modify the epileptic phenotype of Dravet syndrome.2013

    • 著者名/発表者名
      Ohmori I
    • 雑誌名

      Neurobiol Dis.

      巻: 50 ページ: 209-217

    • DOI

      10.1016/j.nbd.2012.10.016

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High-frequency EEG oscillations in hyperthermia-induced seizures of Scn1a mutant rats.2013

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi K
    • 雑誌名

      Epilepsy Res

      巻: 103 ページ: 161-166

    • DOI

      10.1016/j.eplepsyres.2012.07.020

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acute Encephalopathy in Children with Dravet Syndrome2012

    • 著者名/発表者名
      Okumura A, Uematsu M, Imataka G, TanakaM, Okanishi T, KubotaT, SudoA, Tohyama J, TsujiM, OhmoriI, NaikiM, Hiraiwa-Sofue A, SatoH, SaitohS, Shimizu T.
    • 雑誌名

      Epilepsia

      巻: 53(1) ページ: 79-86

    • DOI

      doi:10.1111/j.1528-1167.2011.03311.x.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acute encephalopathy with a novel point mutation in the SCN2A gene.2012

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi K
    • 雑誌名

      Epilepsy Res.

      巻: 102 ページ: 109-112

    • DOI

      10.1016/j.eplepsyres

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dravet syndrome: Inroads into understanding epileptic encephalopathies2012

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi K
    • 雑誌名

      J Pediatr

      巻: 160 ページ: 532-533

    • DOI

      10.1016/j.jpeds

    • 査読あり
  • [学会発表] SCN9A遺伝子変異/多型がドラベ症候群の臨床型におよぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      大守 伊織,Wang Haijiao,大内田 守,小林 勝弘,松井 秀樹
    • 学会等名
      第46回日本てんかん学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121011-12
  • [学会発表] Scn1a遺伝子変異ラットにおける発達障害2012

    • 著者名/発表者名
      大守 伊織、大内田 守
    • 学会等名
      第54回日本小児神経学総会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120517-19
  • [学会発表] P/Q型電位依存性カルシウムチャネル変異に伴う発達障害2012

    • 著者名/発表者名
      大内田守、大守伊織
    • 学会等名
      第54回日本小児神経学総会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120517-19
  • [学会発表] 自閉症の病態生理とモデル動物を用いた最新研究2012

    • 著者名/発表者名
      大守伊織
    • 学会等名
      旭川荘療育センター児童院医局セミナー
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2012-04-10
  • [備考] 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 細胞生理学

    • URL

      http://seiri1.med.okayama-u.ac.jp/

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公開日: 2014-07-24  

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