研究課題/領域番号 |
23659524
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
松下 憲司 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (20332835)
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研究分担者 |
松崎 茂展 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (00190439)
大畑 雅典 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (50263976)
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キーワード | バクテリオファージ / 溶菌酵素 / ファージ療法 / セラチア菌 / グラム陰性菌 / 外膜 |
研究概要 |
本研究では、外膜透過に関係すると予想されるBacillus amyloliquefaciensファージ Morita由来の外膜通過ペプチド領域(C100)とセラチアファージ溶菌酵素を融合させ、その融合溶菌酵素を利用するセラチア菌感染制御法の開発を目的としている。 申請者らが分離したセラチアファージKSP90、KSP100の溶菌酵素遺伝子を特定するため、これらのファージのゲノム全塩基配列から推定されるタンパク質アミノ酸配列について詳細なホモロジー解析を行なった。しかし、溶菌酵素に期待されるリゾチーム、ミューラミニダーゼ、アミダーゼ、エンドペプチダーゼのドメインを構成するアミノ酸配列は推定されなかった。それで、これらのファージKSP90, KSP100の溶菌酵素遺伝子の探索を継続すると同時に、DDBJ/GenBank/EMBLデータベースに登録されたファージゲノムの中に溶菌酵素遺伝子の存否を検討した。その結果、最近登録されたセラチアファージETAのDNA塩基配列の中にリゾチームドメインを有するORFが存在することを確認した。 このORF(Eta_0047)は、150アミノ酸残基からなりlyzozyme-like superfamilyのドメインを有していた。このORFのC末端側にファージMoritaのグラム陰性菌外膜の透過に関与するすると予想される溶菌酵素のC末端108アミノ酸残基を融合し、更にCo-セファロースカラムによる1段階精製を行なうためC末端に6個のHis残基を融合させたタンパク質をコードする融合遺伝子を作製した。同時に、ファージMoritaの溶菌酵素アミノ酸残基258個のC末端側に6個のHis残基を融合させた遺伝子を作製した。 今後、融合溶菌酵素およびファージMorita由来溶菌酵素の比較検討を行ない、本融合酵素の溶菌活性および宿主特異的溶菌活性について検討する予定である。
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