脊髄性筋萎縮症 (SMA)は脊髄前角細胞の変性による筋萎縮と進行性筋力低下を特徴とする常染色体劣性遺伝性疾患である。原因遺伝子はSurvival of motor neuron 1(SMN1)であり、現在まで根本治療法はない。一方、ポリオウイルス(PV)はRNAウイルスであり、脊髄前角の運動神経細胞や中枢神経系に感染して重篤な病変を生じさせる。本研究では、ヒトiPS細胞を神経細胞へ分化誘導し、PVゲノム内に外来遺伝子を導入したPVベクターを作製した。このベクターをヒトiPS細胞由来神経細胞やSMA患者由来細胞に外来遺伝子としてGFP及びGFP-SMN融合蛋白質として発現させることに成功した。
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