研究課題
挑戦的萌芽研究
中枢神経系の最も主要な抑制性神経伝達物質であるGABA(γ-アミノ酪酸)の発達期の脳における作用はCl^-ホメオダイナミクスに代表されるように、実にマルチモーダルなものである。すなわち、(1)神経発生期と細胞移動期には非シナプス性の傍分泌的な脱分極作用で、細胞分裂の促進と抑制、ついで移動のブレーキあるいはアクセルとして移動速度を調節し、(2)回路形成期には興奮性伝達物質としてシナプスの形成・強化に関与する。そして(3)成熟後に初めて抑制性神経伝達物質として作用するのである。このように、GABAには発達段階に応じた3つの役割があり、発達初期における役割は古典的概念の抑制性伝達物質とは大きく異なっている。したがって、胎児・新生児期の疾患の病因や病態には、種々の外的要因がこれらマルチモーダルなGABAの作用に影響することで起こるものが含まれている可能性がある。そこで、種々のモデル動物を用いこの仮説の当否を検討した。
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