研究課題/領域番号 |
23659553
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
佐藤 直哉 北里大学, 医学部, 助教 (50276119)
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研究分担者 |
藤村 響男 北里大学, 医学部, 講師 (50209087)
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キーワード | らい菌 / mce1A遺伝子 / 遅発育性抗酸菌 / 病原因子 / 細胞侵入因子 |
研究概要 |
本研究の目的は、遅発育性抗酸菌遺伝子改変用ベクターを開発した後、これを用いて、GFP(green fluorescence protein)発現らい菌株、及び、らい菌の鼻粘膜上皮細胞や血管内皮細胞への侵入因子(mce1A遺伝子)をノックアウト(KO)したGFP発現菌株をマウス内で作製し、GFPを指標に選別するシステムを構築することにある。さらに、この遅発育性抗酸菌遺伝子改変システムより得られたらい菌mce1A遺伝子KO株(gfp+/mce1A-株)と非KO株(gfp+/mce1A+株)の鼻粘膜上皮細胞や血管内皮細胞への侵入・感染効率を、GFP発現による蛍光強度によって比較検討することで、最終的には、ハンセン病の感染様式におけるらい菌mce1A遺伝子の役割を明らかにすることが目的である。 平成24年度は、GFPらい菌株作製システムを構築するため、H23年度に構築した遅発育性抗酸菌遺伝子改変ベクターのらい菌への導入効率について解析した。現在、作製した数種のベクターを電気穿孔法によりらい菌へ導入し、マウスへ接種・培養した後、GFP発現を指標にしたFACS解析法による遺伝子改変株の選別とその再現性を確認しているところである。 同時に、得られたGFPらい菌株(gfp+/mce1A+株)の鼻粘膜上皮細胞や血管内皮細胞への侵入・感染効率を検討するために必須である、Mce1A蛋白活性領域に対するモノクローナル抗体(MoAb)を合成ペプチドを用いて作製中である。すでに数種類のMoAbが得られ、それらを用いたMce1A蛋白外膜表示大腸菌の鼻粘膜上皮細胞や血管内皮細胞に対する侵入抑制効果を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
数種類の遅発育性抗酸菌遺伝子改変ベクターを構築し、それらのらい菌への導入効率を解析しているが、想定以上に導入効率が低い。導入効率を上げるべく、各種条件設定の変更を余儀なくされている。
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今後の研究の推進方策 |
構築した遅発育性抗酸菌遺伝子改変ベクターのらい菌への導入効率の向上と高い再現性を目指し、各種条件設定の改良を急ぐ。同時に、作成したMce1A蛋白活性領域に対するMoAbを用いて、Mce1A蛋白外膜表示大腸菌の鼻粘膜上皮細胞や血管内皮細胞に対する侵入抑制効果を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、物品費用として試薬・マウス購入費用などに350,000円、学会発表などの旅費に50,000円、その他論文投稿費用として100,000円など予定する。
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