• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

DNAチップを用いた間歇型一酸化中毒への進展を予測する指標作成のための研究

研究課題

研究課題/領域番号 23659567
研究機関愛媛大学

研究代表者

上野 修一  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80232768)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード一酸化炭素 / 動物モデル / 遺伝子発現 / DNAチップ
研究概要

一酸化炭素中毒者のうち10から30%はいったん回復した後に、遅延性神経精神症状を来たし、重篤な脳症状を起こすため、間歇型一酸化炭素中毒と診断される。しかし、急性と間歇型一酸化炭素中毒の病態はともにまだ不明のことが多く、事前に間歇型を予測する指標もない。今回の研究は、動物実験を用いて、ヒトでの急性および間歇型一酸化炭素中毒の分子生物学的機序を明らかにすることにある。今年度は、一酸化炭素中毒モデルラットを作成することに焦点を置いた。行動解析のため、電気刺激により恐怖を関連付けて記憶させる受動的回避実験装置を用い処置した生後6週前後のラットに、特殊な飼育箱を用い、一酸化炭素および酸素濃度を測定しながら、0.1から0.3%の低濃度の一酸化炭素を約1時間吸入させる。ラットが意識を失うまで一酸化炭素を吸入させ、急性一酸化炭素中毒を作成する。その後、受動的回避での反応時間、頭部MRI、体重を測定し経過を追う。3週間後、3か月後に断頭により処置し、脳内の各部位、組織別にわけ、-80度で保存する。対照として週齢が等しいラットに受動的回避試験のみを行ったものを同様の処置をして用いた。その結果、約1/3のラットは一酸化炭素中毒の急性症状で死亡した。残ったラットのうち、1/2は、受湯的回避反応時間が短くなり、恐怖記憶が消失している可能性が予想された。現在、保存した脳組織からRNAを抽出し、遺伝子発現解析をDNAチップを用いて行っている途中であり、網羅的遺伝子発現解析で変化した遺伝子のreal time PCR法で解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験モデル動物が作成でき、遺伝子の解析の準備まで行うことができたため。

今後の研究の推進方策

DNAチップを用いて、脳内の遺伝子発現を網羅的に解析したのちに、real-timePCR法を用いて、解析を予定している。また、一酸化炭素中毒モデルラットの頭部MRIを撮像しており、標準化したのちにどの部位が障害を強く受けているかについて解析を予定している。

次年度の研究費の使用計画

DNAチップの解析料、real-timePCR法による解析料に加え、学会発表および論文作成のために研究費を使用することを予定している。

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi