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2011 年度 実績報告書

双極性障害モデルを用いた気分エピソード依存的な生体内変化のメタボローム解析

研究課題

研究課題/領域番号 23659569
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

笠原 和起  理化学研究所, 精神疾患動態研究チーム, 副チームリーグー (50344031)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2012-03-31
キーワード双極性障害 / モデルマウス / ミトコンドリアDNA / メタボローム解析 / 血漿 / Hydroxyprogesterone
研究概要

我々が開発した双極性障害のモデルマウス(神経特異的にミトコンドリアDNAの異常が蓄積するトランスジェニック(Tg)マウス)を用い、このマウスが半年に1回程度の頻度で示す、数週間にわたる著しい行動量の減少中に、どのような体内変化が起きているかを血漿のメタボローム解析を行った。Tgマウス34匹、non-Tgマウス16匹、合計50匹の輪回し行動を4月から12月まで観察し、長期行動量低下のエピソードを示したら、そのエピソード中に血漿を採取した。同時に、エピソード中ではない同腹のTgマウスとnon-Tgマウスからもサンプリングした(各個体350~500μL)。「エピソード中Tg、寛解中Tg、non-Tg」の3群を5セット(合計15サンプル)採取し、メタボローム解析に供した。この解析はヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ社(鶴岡市)で行い、親水性分子群はキャピラリー電気泳動-質量分析計(CE-MS)によって、疎水性分子群は液体クロマトグラフ-質量分析計(LC-MS)によって解析した。276種の分子を同定・定量することができた。また、うち110種は、標準サンプルとの比較を行って絶対定量した。ANOVA解析およびpost hoc t検定によって、3群間、あるいは2群「エピソード中vs寛解中」間で有意に変動している分子種を求めた。その結果、エネルギー代謝に関わる分子群とコレステロール代謝物群のいくつかが検出された。多重比較を考慮しても有意に変動していた分子は、コレステロール代謝物群のひとつである20α-Hydroxyprogesterone (KEGG ID : C04042)であった。エピソードに伴って濃度が変動している分子が、なぜ変動するのかという基礎研究につながる成果であり、また、これらの分子はいずれもヒト血漿中にも存在することから、臨床研究につながる成果でもある。

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公開日: 2013-06-26  

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