研究課題/領域番号 |
23659573
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
久下 裕司 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958)
|
研究分担者 |
趙 松吉 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80374239)
西嶋 剣一 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (60364254)
川井 恵一 金沢大学, 保健学系, 教授 (30204663)
山下 篤 宮崎大学, 医学部, 助教 (90372797)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | 放射線 / 核医学診断 / 動脈硬化 / 不安定プラーク / 組織因子 |
研究概要 |
心筋梗塞や脳梗塞の根幹的原因である"動脈内のプラーク"の不安定性を精度よく評価できる診断法の開発が臨床画像診断学の急務である。本研究の目的は、プレターゲティング法を取り入れ、動脈内プラークの破綻とそれに伴う血栓形成に深く関与する組織因子(Tissue Factor, TF)の選択的な描出により不安定プラーク(粥状動脈硬化巣)を特異的に検出しうる新しい核医学イメージング法を提案することにある。この目的達成のため、今年度は以下の研究を実施した。1)anti-TF-mAb-SAv/18F-FBBのシステムの合成検討 18F標識ビオチン誘導体18F-FBBは、プレターゲティングユニットであるanti-TF-mAb-SAvと高い親和性を持つポストプローブであるが、18Fの半減期が約2時間であるため迅速な合成が必要である。この18F-FBBの標識前駆体である18F標識スクシンイミド誘導体18F-SFBの迅速合成のため、合成条件(温度、時間、溶媒等)を詳細に検討した。その結果、[18F]SFBの収量として4.7 ± 0.7 GBq(照射条件25 A, 20 min)、放射化学的収率として33.6 ± 9.5%(減衰補正なし)を達成した。合成時間は約55分程度、HPLCで求めた放射化学的純度は95%以上であり、迅速かつ高純度の[18F]SFBを得ることに成功した。2)モデル動物におけるPET撮像条件・TF発現の検討 TFイメージング実験の前段階として、大腿動脈バルーン障害ウサギを用いて、18F-FDGによるPET撮像実験と、病変部位におけるTF発現の検討を行った。PET撮像実験により200 MBq/rabbit程度の投与量で、動脈硬化病変を明瞭に描出できることが分かった。また、免疫染色により病変部における高いTF発現を認めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
18F標識ビオチン誘導体18F-FBBの合成はやや遅れているものの、この18F-FBBの標識前駆体である18F標識スクシンイミド誘導体18F-SFBの迅速合成のための合成条件を確立できた。また、モデルウサギにおいて、PET撮像条件を確立し、高いTF発現を明らかにできた。
|
今後の研究の推進方策 |
モデル動物の準備、PET/SPECT撮像条件の検討等はほぼ終了しているので、anti-TF-mAb-SAv/18F-FBBのシステムの合成を推進することにより、計画達成を目指す。
|
次年度の研究費の使用計画 |
-
|