研究課題
本研究は、モンテカルロ法による細胞レベル、DNAレベルの放射線影響解析技術(マイクロドシメトリ技術)と放射線治療の治療計画技術(マクロドシメトリ技術)を結合し、粒子線治療における等価線量を数値シミュレーションのみで求め、統一の指標で表現可能な治療計画手法の基盤技術の開発を行うものである。本研究によって、モンテカルロシミュレーションによって放射線場のLET分布より個々の細胞核線量の確率密度分布を計算する手法を確立した。また、細胞核線量の確率密度分布を考慮して細胞生存率及び生物学的効果比(RBE)を算出する技術を開発した。これにより、従来の計算で求める吸収線量(物理線量)に新計算手法で求めたRBEを乗じることによって、等価線量を数値シミュレーションのみで評価できる技術基盤を確立した。この確立した技術について特許出願を行った(特願2012-124674)。確立した技術を実際の放射線治療の治療計画/線量評価に応用する研究を行った。本研究ではモンテカルロ法による治療計画技術が先行的に実用化されているBNCT分野の線量評価に当技術を適用することを検討した。BNCT用治療計画システム:JCDSのモンテカルロ計算コードをマイクロドシメトリ計算が可能なPHITSに置き換えた。まず、PHITSによる線量評価の妥当性を検証するため、同じ計算条件下でMCNPとPHITSでの線量計算を実行し、PHITSがMCNPと同等の吸収線量分布を算出できることを確認した。これによりPHITSを組み合わせた治療計画システムを構築することで物理線量とRBEを算出して等価線量までを導出できる見通しを得た。この研究成果を踏まえて、等価線量評価が可能な治療計画システムを開発するため、平成25年度の科学研究費補助金、基盤研究(C)に応募し、採択された。
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