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2011 年度 実績報告書

多重共鳴磁気共鳴画像法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23659586
研究機関京都大学

研究代表者

杤尾 豪人  京都大学, 工学研究科, 准教授 (70336593)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2012-03-31
キーワードMRI / NMR / 多重共鳴NMR
研究概要

H-C-C三重共鳴MRI法の開発
高分解能溶液NMR専用装置(Bruker DRX500)を使い、1H-13CA-13COの三重共鳴MRIを試みた。蛋白質主鎖帰属用のパルスシークエンスの一つであるHCACOを基にMRIで用いられる位相エンコード等を組み込んだパルスプログラムを作成した。MRI測定や画像処理には専用のソフトウェアParavisionを用いた。13Cアラニンの水溶液をファントムとして測定したところ、画像を得ることに成功した。続いて、担癌マウスに13Cグルコースを尾静脈注射した後、腫瘍部位を摘出し画像化を試みた。腫瘍細胞中ではグルコースは主として乳酸へと代謝される。そこで、13C乳酸選択的な三重共鳴MRIを行ったところ、信号は弱いながらも乳酸の分布を画像化することに成功した。続いて、動物用のMRI装置での実施を試みた。なお、三重共鳴NMRではシークエンス中に多数のパルスを照射する必要がある。高分解能用の装置では、検出コイルを始めとするハードウェアが、それに対応すべくチューンされているため問題ないが、動物用MRI装置では、本来、そのような測定は想定されていない。DRX500用に作成したパルスプログラムを、動物用MRI装置に移植し、13C標識アラニン水溶液をファントムとして用い検討した。その結果、良好な一次元のHCACOスペクトルの取得に成功した。スペクトルのシグナル対ノイズ比から考えて、少なくともファントムでの画像化は可能であると予想される。
H-C二重共鳴MRI法の開発
三重共鳴ほど分子選択性は高くないが、より高感度な1H-13C HMQC-MRI法を活用すべく、新たな13C標識分子プローブを開発した。当該分子は、13Cで標識した単量体分子の繰り返しからなる合成高分子で、腫瘍部位に集積することが知られている。これを担癌マウスに注射し、HMQC-MRIによって撮像したところ、腫瘍部位への分子プローブの集積を画像化することに成功した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Substrate/Product-targeted NMR monitoring of pyrimidine catabolism and its inhibition by a clinical drug2012

    • 著者名/発表者名
      Yamada H, Mizusawa K, Igarashi R, Tochio H, Shirakawa M, Tabata Y, Kimura Y, Kondo T, Aoyama Y, Sando S
    • 雑誌名

      ACS Chemical Biology

      巻: 7 ページ: 535-542

    • DOI

      10.1021/cb2003972

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystal structure of the ubiquitin-associated (UBA) domain of p62 and its interaction with ubiquitin2012

    • 著者名/発表者名
      Sekiyama N, Jee J, Isogai S, Akagi K, Huang TH, Ariyoshi M, Tochio H, Shirakawa M
    • 雑誌名

      Journal of Biomolecular NMR

      巻: 52 ページ: 339-350

    • DOI

      10.1007/s10858-012-9614-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystal structure of the ubiquitin-associated (UBA) domain of p62 and its interaction with ubiquitin2011

    • 著者名/発表者名
      Isogai S., Morimoto D., Arita K., Unzai S., Tenno T., Hasegawa J., Sou YS., Komatsu M., Tanaka K., Shirakawa M., Tochio H.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 286 ページ: 31864-31874

    • DOI

      10.1074/jbc.M111.259630

    • 査読あり
  • [学会発表] Structural basis for receptor recognition of interleukin 182011

    • 著者名/発表者名
      堤尚孝、木村豪、大西秀典、加藤善一郎、近藤直実
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20111213-20111216
  • [学会発表] Analysis of proteins inside human cultured cells by NMR2011

    • 著者名/発表者名
      Hidehito Tochio
    • 学会等名
      The 4th Asia Pacific NMR symposium
    • 発表場所
      Beijing, China
    • 年月日
      20111016-20111018
  • [学会発表] Magnetic resonance methods for analyses of structure and dynamics of intracellular proteins and cells2011

    • 著者名/発表者名
      杤尾豪人
    • 学会等名
      第49回日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      姫路
    • 年月日
      20110916-20110918

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公開日: 2013-06-26  

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