研究課題/領域番号 |
23659589
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 和正 九州大学, 大学病院, 准教授 (20284507)
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研究分担者 |
有村 秀孝 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20287353)
塩山 善之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10323304)
穴井 重男 九州大学, 大学病院, 臨床放射線技師 (90380469)
吉留 郷志 九州大学, 大学病院, 臨床放射線技師 (70419612)
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キーワード | 放射線治療 / マシンビジョンシステム / サイバーナイフ |
研究概要 |
本研究の目的は、定位放射線治療専用の外照射治療装置であるサイバーナイフによる頭部・頭頸部腫瘍の治療をより安全かつ正確に実施するために、X線による被ばくがなく、短時間にセットアップが可能で、real timeに治療中の動きの検出が可能な、マシンビジョンシステムを用いた新しい位置認識システムを開発することである。 平成23年度は、マシンビジョンシステムを用いた位置認識システムのプロトタイプを作成した。本システムは、3個のCCDカメラおよび画像認識システムからなる。カメラにより両側眼裂、両外耳等の顔面の構成要素の形状を認識し、特徴稜線を抽出、モデル化し、あらかじめ登録された基準画像の特徴稜線と相関マッチングを行い、ターゲット映像と基準画像の位置のずれ(X,Y,Z)が検出するものである。本年度は本システムの精度を検証した。まず、マイクロメータの先に取り付けた実物大のヒト頭部模型を用い、本システムの位置認識精度を検証した。マイクロメータと本システムの測定値の相関係数は、X軸(左右方向)で0.9978、Z軸で0.9960、Rollingで0.9887と高い相関を示した。 次に、人骨を包埋した頭部ファントムを用い、サイバーナイフの位置認識システムと本システムの位置認識精度を比較した。サイバーナイフと本システムの位置誤差はX軸方向で、0.12±0.09、0.16±0.09、Z軸方向で0.11±0.09、0.08±0.07で、X軸方向でやや誤差は大きいものの、ほぼ同様の位置認識精度が得られた。今後さらにカメラ位置の工夫やソフトウェアの改良を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、ほぼ予定通りシステムのプロトタイプの精度検証を行うことができた。しかし、プロトタイプのシステムはX,Y,Z,yaw, roll, pitchの6軸のうち、現時点では3軸の精度しか測定できず、さらなるシステムの改良が必要となる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度初めに現在のプロトタイプの改良を行い、6軸の変位に対応したシステムを完成させる。その後システムの精度検証を行い、実際のサイバーナイフの治療時にシステムを用いて、サイバーナイフの位置認識システムの精度との比較検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、プロトタイプの改良のためのソフトウェアの開発が必要である。また、本システムの位置認識精度の検証のためのフィルム等の物品費が必要である。また、研究成果の発表のための交通費、論文の英文校正代等が必要である。
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