研究分担者 |
澤田 貴宏 和歌山県立医科大学, 付置研究所, その他 (00382325) [辞退]
坂口 和成 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 教授 (60178548) [辞退]
佐藤 守男 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50154109)
千葉 尭弘 和歌山県立医科大学, 医学部, その他 (60597079) [辞退]
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研究実績の概要 |
最終年度の研究 非手術的ゲルスペーサー注入で直腸等の危険臓器を退避させて安全に最高水準の線量を照射する手法を開発してきた。2013年8月にトモセラピーでの高精度放射線治療機に導入後1年半の成績を総括し、放射線障害の発生を制圧しえたか問う。対象と方法:前立腺癌(PK)60例、乳癌骨転移1例、肺癌と子宮頸癌の傍大動脈リンパ節(PALN)再発それぞれ1例、日本61, 中国2。PK患者平均年齢72, 新鮮例49,非全摘後再発6(小計55), 全摘後後再発5, PSA中央値9.55, 画像包括評価は低、中、高、超高リスクが各6,10、21、18/55例。 結果:前立腺平均総線量は82.4GyE, 直腸D2ccは36.5GyEで晩発性直腸障害の発生予測率0%、264日(27-544)経過時点で>G2直腸障害等の発生なし。 本結果を2012年-2013年7月のスペーサーなし(A群)36例とで中間比較した。A群の平均総線量(74GyE),平均直腸D2cc(72GyE),晩発性直腸障害の発生は+290日で5/36 (14% ) で、いずれも有意な差を認めた(P<0.01)。280日は晩発性障害の発生のプラトーに達しているために、これらの評価結果は妥当性が高いと考えられる。文献的比較ではゲルスペーサー無しの報告では83GyE投与でG2以上合併症が25%だが、本臨床研究は予測・実績とも0%である。結論1:ゲルスペーサーの利用で晩発性直腸障害発生の制圧と必要な高線量の投与とを同時に果たせた。また従来の術後再発への照射は直腸毒性による線量制約を受け予後不良であったが、本法は新鮮例線量と同じ高水準の線量を該当例全てに安全に付与しえた為、成績の向上を期待できると考えた。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果は、旧年度分の成果と合わせて見ていただきたい。
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