光ファイバーイメージガイドを用いたSPECT/MRI用検出器を開発し,その性能を評価した。さらにMRI中で同時撮像を行いその有効性を評価した。 検出器に用いたシンチレータはY2SiO5 (YSO)で,1.2mm x 1.2mm x 6mm のピクセルを15 x 15のマトリクスに配置したものを用いた。光ファイバーには,0.5mm直径のダブルクラッド型を用い,それを束ねて長さ80cmのイメージガイドを構成した。入力部は90度曲がった構成とし,その他の部分はフレキシブルな構成とした。そのイメージガイドの入力部にYSOブロックを光学結合し,出力部には1インチ角型位置有感型光電子増倍管(PSPMT)を光学結合した。コリメータにはMRIでの使用を考慮してタングステン含有プラスチックを用い,厚さ7mmの平行穴コリメータ(穴径0.8mm)をYSOのピクセルに1対1に配置する構成とした。PSPMTの出力はアンガー方式で位置演算を行った。 Co-57のガンマ線(122keV)に対し,YSOのほぼすべてのピクセルを弁別することができ,またエネルギー分解能は38%FWHMであった。コリメータを含めた空間分解能(システム分解能)はコリメータから1.5mm離れた位置で1.7mmFWHMで,システム感度は0.06%であった。このSPECT用検出器を0.3Tの永久磁石式MRIの中に配置し,MRIとの同時測定を行った。その結果,開発した検出器はMRI中でもCo-57の点線源を撮像することが可能であることが明らかになった。また,SPECT用検出器を配置しても,MRI画像に大きな影響を与えないことも確認した。 これらの結果より,開発した検出器はSPECTとして使用可能な性能を有し,MRIとの相互影響が少なく,SPECT/MRI用として有望であることが明らかになった。
|