研究課題/領域番号 |
23659599
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
四ノ宮 成祥 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (40505260)
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研究分担者 |
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 准教授 (10449069)
青木 伊知男 独立行政法人放射線医学総合研究所, その他部局等, その他 (10319519)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 樹状細胞 / MRイメージング / がん / 造影剤 |
研究概要 |
治療用細胞の体内動態を、安全、且つ高感度に検出して解析する手法の有力な候補の一つにMR画像法が挙げられる。現状では、肝臓造影剤として用いられている超常磁性酸化鉄微粒子(SPIO)を中心に、造影剤標識細胞のin vivo イメージングの可能性が検討されている。しかしながら現時点では、ヒトにおいて細胞をイメージング・追跡するのに十分な感度に達しておらず、臨床応用に至っていない。 本研究では、癌を対象とした免疫細胞療法において、腫瘍抗原特異的な免疫応答を誘導するために生体内に投与される樹状細胞を研究対象とし、当該細胞を標識する新たな造影剤の開発を行いながら、造影剤を標識した樹状細胞の体内分布をMRIで非侵襲的に解析するための方法論を確立することを目的とする。 初年度は、新たな造影剤素材としてマンガンに着目した。マンガンは縦緩和能をもつ造影剤であり、本邦でも塩化マンガンが経口剤として用いられているが、これまでにin vivoでの細胞標識用の造影剤としての検討は行われていない。そこで塩化マンガンと、対照として既存のSPIO製剤を用い、樹状細胞を効率的に標識する手法を確立することを目的としてその技術的検討を行った。その結果、マウス骨髄由来樹状細胞またはヒト単球由来樹状細胞において、その生存率や細胞機能等を損なわず、塩化マンガンとSPIOを効率的に標識する条件を確立した。 しかしSPIOが、少なくとも標識後数日間程度細胞内に保持されていたのに対して、塩化マンガンの場合、標識18時間後の細胞内マンガンイオン量は激減しており、細胞内にマンガン分子を長期間滞留させるための何らかの製剤的な工夫が必要であることが確認された。そこで、マンガン分子とデキストランの生分解性担体を結合させた新たなマンガン造影剤の開発に着手したところ、プロトタイプの合成に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究概要で示したように、塩化マンガンの場合、標識18時間後の細胞内マンガンイオン量は激減しており、細胞内にマンガン分子を長期間滞留させるための何らかの製剤的な工夫が必要であることがわかった。そこでH23年度計画で示した通り、マンガン造影剤を樹状細胞に効率的に取り込ませるために、樹状細胞の本来機能であるレクチンを介したエンドサイトーシス機構を利用することにした。樹状細胞が発現する、病原微生物に共通の分子構造を認識するレクチン類に着目し、現在までに、レクチンが認識するデキストランを用いたマンガン化合物を合成することができた。マウスを用いた体内動態の評価をすでに進めており、次年度計画で示したMRイメージングによる可視化への段階に着実に進みつつある。以上の進捗状況を鑑みて、研究はおおむね順調に進展していると思料した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果として得られた新規マンガン造影剤とSPIOを用いて樹状細胞を標識し、マウスに皮内投与したのちに、高磁場(7T)MRIを用いて、標識樹状細胞の生体内分布を可視化する撮像技術の確立を目指す。そして検出感度や撮像条件の点で、既存造影剤であるSPIOとの比較において、 新規造影剤を用いたMRイメージングの有用性を検証する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の推進に必要なシステム、装置類は各研究実施機関に備えているので、次年度の研究費も初年度同様に、おもに、実験を行うのに必要なMRI造影剤、培養関連消耗品、生化学試薬、実験動物、免疫染色用抗体、ディスポーザブル製品の購入にあてる。動物実験の計画としては、NOD-SCIDマウス, ケモカイン受容体欠損マウス(1匹 12,000円)を10匹使用する実験を年間5回程度行う予定である。 その他の費用としては、研究に関する打ち合わせを行うための会議費、学会参加費、成果報告のための印刷費、得られた成果を国際一流誌に投稿するための外国語論文の校閲の費用および投稿料などへの支弁も予定している。
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