当研究では、抗体プローブを用いた肝移植後拒絶反応の検出法を開発することを目的とし、発光タンパクを結合した抗体プローブの全身投与により、グラフトへの浸潤細胞の検出を試みた。我々は異系統間マウス肝移植により、急性細胞性拒絶反応を誘導することに成功した。浸潤細胞にはCD3発現が確認されたが、抗CD3抗体を全身投与により浸潤細胞に結合させることは出来なかった。さらに臓器灌流装置による抗CD3抗体のデリバリーを試みたが、浸潤細胞への結合は確認できなかった。浸潤細胞は免疫染色では良好に染色された。当研究では、抗体を血行路経由で肝臓グラフトへの浸潤細胞まで到達させることは、困難であることが明らかとなった。
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