研究課題/領域番号 |
23659612
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮川 周士 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90273648)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 移植・再生医療 / 応用動物 / トランスレーションリサーチ / 動物 / バイオテクノロジー |
研究概要 |
<遺伝子構築の作製> 1.補体制御因子と抗凝固因子のhybrid分子、C1-INH-TM-DAF-MCP [CTDM:codon改変、機能ドメイン重合分子]を作成し、pig insulin promoter に CMV enhancerをつけた構築に繋いだ。 C1-INHに関しては補体制御機能とは関係しない部分(アミノ酸1-99)を取り除いた。Thrombomodulineに関しては,直接抗凝固機能に関与するEGF4-6とEGF3の一部を選んだ。また、DAFの機能ドメインに関してはSCR2-4。同じく、MCPも補体制御機能が有るSCR2-4を使った。2.また、HLA-Eにpoint mutationで147番目のSerをCysに換え、かつHLA-E分子内に発現できるsignal peptide に換えた遺伝子[HLA-Ev(147)]に、IRES でhuman beta-globuinの遺伝子を繋ぎ、さらにChicken-beta-actin(CAG) promoterに繋いだ。<In vitro検査>これら、CTDMとHLA-Ev(147)を、ブタ血管内皮及びCHO細胞にて、発現を確認した。導入方法は,lipid法と電気ショック法を用いた。<トランスジェニックブタつくり>顕微授精(ICSI-mediated gene transfer)法を用いて、これらCTDMおよびHLA-Ev(147)遺伝子をそれぞれ約40個のブタの体外成熟卵に導入した結果、18.4%および35.9%の胚盤胞形成率が得られた。対照の遺伝子導入を伴わない顕微授精では30.0%であったことから、HLA-Ev(147)導入による発生阻害はないと判断した。現在のところ、HLA-Ev(147)導入胚97個を2頭のレシピエント雌に移植したが、流産に終わっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り遺伝子を作成し、顕微授精の段階まで進めた。流産した原因は不明だが、さらに顕微授精を続けて行く。23年度の目標としては、概ね達成できていると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、CTDMやHLA-Ev(147)の遺伝子発現ブタを作成して行く。顕微授精が困難な場合は通常のマイクロインジェクションも考慮する。
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次年度の研究費の使用計画 |
出来上がった遺伝子発現ブタの導入分子の解析を行うための経費として、主にRCR、RT-PCR、FACS等に使用する予定である。
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