研究課題/領域番号 |
23659632
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
土川 貴裕 北海道大学, 大学病院, 助教 (50507572)
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研究分担者 |
平野 聡 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50322813)
中村 透 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70645796)
宮本 正樹 北海道大学, 大学病院, 助教 (40333611)
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キーワード | TMA解析 / 胆道癌 / マーカー |
研究概要 |
抗癌剤が免疫系に与えるメカニズムを解析するために、マウスモデルでの実験系を新たに構築した。抗癌剤暴露により、抗原提示に関わる細胞内タンパクの一つであるCalreticulinが細胞表面へ移行し、癌細胞の抗原提示する事実(Immunogenic cell death)に着目し、in vitroの系でcell lineが抗原提示能を増強させる至適抗癌剤濃度を検定した。マウス細胞株としてCT26細胞16細胞、LLC細胞、マウスはBalb/cAJclを使用した。抗癌剤はMitoxantron、Camptothecin、Mitomycin C、Fluorouracil、Cisplacin、Gemcitabinの6種類を使用した。細胞増殖Assay、Flow cytometryにてImmunogenic cell deathを誘導する至適抗癌剤を決定し、抗癌剤暴露後の細胞膜表面でのCalreticulinの発現を調べた。次に24時間抗癌剤を暴露したマウス癌細胞株をBalb/cAJclの左脇に注射し免疫した。7日後に対側にマウス癌細胞株を移植し、腫瘍の生着状況、腫瘍体積を計測し、細胞膜表面でのCalreticulin発現量と腫瘍体積の関係を調べた。また生着した腫瘍は抗CD3抗体を用いた免疫染色により腫瘍浸潤Tリンパ球(TIL)数を計測し、細胞膜表面でのCalreticulin発現量との関係を調べた。これらの実験の結果、抗癌剤の種類により細胞膜表面でのCalreticulinの発現に違いが認められ、移植モデルにおいてB16細胞、LLC細胞で細胞膜表面でのCalreticulinの発現量と腫瘍体積はそれぞれR2=0.58,R2=0.57と強い逆相関が認められた。またCalreticulinの発現量とTIL数においてもB16細胞、LLC細胞でそれぞれR2=0.36と強い相関が認められた。
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