研究課題/領域番号 |
23659636
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小暮 公孝 群馬大学, 生体調節研究所, 研究員 (20125850)
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研究分担者 |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
星野 洪郎 群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (00107434)
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キーワード | 肝組織移植 / 肝細胞移植 / 補助肝臓 / 肝不全 / 肝移植 |
研究概要 |
【研究目的】本研究は肝不全患者の救命のために肝移植に代替できる有効な体内型補助肝臓(有茎腸管グラフト内肝組織片充填移植術)の開発を目指している。これまでに腸管グラフト内肝組織片充填術の基本術式(腸管グラフト内に充填した肝組織片は互いに再癒合、増殖して生着)を確立することができた。しかし、基本術式だけでは術後、30日ほど経過する間に癒合し増殖した肝組織片は次第に、壊死、融解に陥ってしまった。今回は有茎腸管グラフト内に充填した肝組織片の長期生着をめざして様々な術式の改良を行った。【改良術式】1.従来はグラフト腸管の捻転を防止するためにグラフト腸管をアロンアルファーで残肝に固定していたが、これを大網で包んで後腹膜に固定する。2.グラフト内の肝組織片に血流を付加するために大網と肝組織片を腸管グラフト内に共充填する。3.脾血流を付加するために腸管グラフトに脾臓を固定する。4.グラフト内に門脈血流を付加するためにあらかじめ部分肝切を行っておいたその肝離断端に腸管グラフトを7-0絹糸で逢着する(癒着により肝血流のグラフト内への流入を期待する)。5.グラフト腸管の前壁に針穴を3個ほどあけグラフト腸管内の浸出液あるいは腸粘膜からの分泌液を腹腔に逃し自己消化を予防する。【結果】これらの工夫によりグラフト腸管内に充填された肝組織片はグラフト腸管内で癒合、増殖し、従来法では完全に壊死に陥ってしまった移植90日後でも移植片の一部が遺残して、顕微鏡的にも肝の細胞索構造が保持されていた。【結語】有茎腸管グラフトの中では皮下や腹腔内などの他部位ではすぐに壊死してしまう肝組織片でも互いに融合、増殖して生着するが、今回のような工夫により、更に、長期間生着することが確認された。今回の研究により有茎腸管グラフト内肝組織片充填方式は肝不全治療の有効な補助肝臓開発につながる可能性が示された。
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