研究課題/領域番号 |
23659644
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
關野 考史 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40362165)
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研究分担者 |
村瀬 勝俊 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10610438)
木村 真樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20422727)
関野 誠史郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (20610398)
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キーワード | マイクロバブル生理食塩水 / 大腸穿孔 / 腹膜炎 / 灌流洗浄 / 腹腔鏡 |
研究概要 |
本研究はラットの細菌性腹膜炎モデルに対して、マイクロバブル生理食塩水で腹腔内を洗浄し、腹腔内の洗浄効果、生存率の改善に影響を及ぼすかどうかを検証した。 ラット腹膜炎モデルは盲腸(小腸 バウヒン弁を温存して)をsilkで結紮したのち、18G針で2回盲腸を穿刺し盲腸を圧迫して作成する。ラットの2回穿刺モデルでは2PODまでに約60%の生存率であった。4回穿刺モデルを作成し、その生存率は0~20%で安定した腹膜炎モデルを作成することができるようになった。 当初の計画どおり長時間の腹膜潅流をすると、生食群での生存率も上昇し、マイクロバブルでの洗浄との比較が困難となる。腹腔鏡下での洗浄では少量でも洗浄効果が有利となるため、生存率に差ができる洗浄量について検討した。洗浄のタイミングは30分後、60分後 洗浄量については10ml、20mlにて検討したところ、いずれも生理食塩水洗浄群、マイクロバブル生理食塩水洗浄群で生存率に有意な差は認められなかった。また、マイクロバブルの細菌凝集作用の可能性について検討した。マイクロバブルで腹腔内を洗浄すると白色の浮遊物が出現(生理食塩水での洗浄群ではみられない)し、洗浄液のグラム染色でグラム陰性桿菌が線維組織とともに集塊を形成している像が認められた。in vitroでの検証をすべく、ratの糞塊1gに対し生食3mlで作成した懸濁液に、それぞれ生理食塩水とマイクロバブル生理食塩水を注入し、凝集作用があるかを検討したが、凝集物は両者の群において観察されず、検鏡にても両群に差は確認できなかった。マイクロバブル生理食塩水での洗浄にて生存率の改善が見られなかったため、オゾンナノバブル水での洗浄を施行した。洗浄タイミング、洗浄量については同様にして検討したところ、いずれも生理食塩水洗浄群、オゾンナノバブル水生理食塩水洗浄群で生存率に有意な差は認められなかった。
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