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2011 年度 実施状況報告書

消化管間質腫瘍における血中浮遊腫瘍細胞検出とその有用性検討の試み

研究課題

研究課題/領域番号 23659651
研究機関岡山大学

研究代表者

宇野 太  岡山大学, 大学病院, 助教 (90572503)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード消化管間質腫瘍(GIST) / 血中浮遊腫瘍細胞(CTC) / 遺伝子解析
研究概要

まず、GIST細胞株のhTERT活性測定、テロメスキャンの感染効率を検討した。2種類の培養GIST細胞(GIST882,GIST48)にhTERTのmRNA発現があることをリアルタイムPCRで確認した。またアデノウイルス感染効率予測のため、この2種類の培養GIST細胞のコクサッキーアデノウイルスレセプター(CAR)の発現をフローサイトメトリーで確認した。そのうえで実際にGIST882・GIST48にテロメスキャンを感染させ、GFP蛍光が観察できることを蛍光顕微鏡下に確認した。これにより、血液中にGIST細胞が存在すればテロメスキャンで可視化できると予想されたため、GIST患者血液を用いてのテロメスキャン感染GFP陽性細胞の検出を試みた。平成24年3月31日までに、6名のGIST患者より研究参加の同意が得られた。すべて検査上血行性転移のない胃原発GISTの症例で、手術切除前に血液を採取した。採血サンプルは溶血させた後に遠心にて細胞成分を分離して、1×104PFUのテロメスキャンウイルスと24時間混合培養した。回収した細胞をcytospinにてスライドガラス上にspot状に張付け、蛍光顕微鏡下に陽性細胞を確認したところ6例中3例の症例で1、4、4個のGFP陽性細胞が確認できた。この結果はGIST症例においても末梢血中に浮遊腫瘍細胞(CTC)が存在することを示唆する結果であり、今まで全く報告されていない事実である。また、この結果は採血という非侵襲的に方法によって得られており、臨床的意義の大きい新規バイオマーカーとしての可能性を示唆したと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画書に記載した平成23年度の計画どおり、GIST患者からのGFP陽性細胞検出まで達成しており、極少細胞からのDNA、RNA 抽出とその増幅に関しても既に検討・実施の段階であるため。

今後の研究の推進方策

臨床GIST患者からの血液を用いたテロメスキャン感染GFP陽性細胞の検出の症例を重ねつつ、検出GFP陽性細胞からのDNAを抽出し、GISTで薬物療法の奏効率との相関が既に知られているC-kit遺伝子変異の検出を試みる。これらの集積された研究結果と臨床病態を比較検討し、臨床的有用性を探求する。

次年度の研究費の使用計画

本研究はもともと平成23年度、24年度で達成することを計画しており、当初の予定通り今後腫瘍細胞の生物学的特性解析のためのフローサイトメトリーやウエスタンブロット、PCR解析に必要な酵素・試薬・多数の抗体等の研究費用として必要となる。また、研究の結果を早い時期に学会発表や論文として適宜情報発信する予定であり、そのための国内外の学会等への旅費や論文校閲および別刷費用も計上している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 消化管間質腫瘍における血中浮遊腫瘍細胞検出の試み2012

    • 著者名/発表者名
      宇野 太
    • 学会等名
      第112回日本外科学会定期学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ 国際会議場
    • 年月日
      20120412-20120414

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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