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2011 年度 実施状況報告書

人工ウイルスによる画像診断に基づく個別化治療選択の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23659655
研究機関九州大学

研究代表者

田中 雅夫  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30163570)

研究分担者 高畑 俊一  九州大学, 大学病院, 助教 (50437779)
鬼丸 学  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (80529876)
江上 拓哉  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (40507787)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード膵癌 / drug delivery system / 人工ウイルス
研究概要

標的細胞・分子の同定/機能解析これまでに、膵癌、胃癌、食道癌などの分子標的マーカーとその機能の解析をin vitro, in vivo において行っており、胃癌においてp600遺伝子を抑制すると癌細胞の浸潤能を抑制し、播種において重要な癌の性質である足場非依存性の癌の生存能を抑えることを明らかにし、また膵癌においては新たにclaudin4遺伝子が膵癌の悪性度に関与し、高発現であると予後良好であることを報告している。また、人工ウイルスを用いる前に予備実験としてアデノウイルス治療を用いた検討を行った結果、HGF/c-METの経路が膵癌と膵間質の相互作用においてウイルス治療の効率を減少させることを明らかにした。本年度は、上記の分子を標的とするため、該当分子特異的なペプチドの検索およびデザインを進めたが,これまでのところ効果的なものは同定しておらず、今後もこの取り組みを進めていく。また、膵癌の代表的治療薬であるジェムシタビンに耐性を持つ膵癌細胞に対して、ウイルス治療を行った結果、耐性のない膵癌細胞よりもより効率的に治療を行うことができた。現在この機序に関わる新規の標的遺伝子の同定を進めている。さらに膵癌特異的な表面糖タンパクであるMUC-1の抗体を用いた人工ウイルスの作成をすすめ、その特異性のin vitroでの確認を行った。今後in vivoでも確認していく。人工ウイルス改変MRI造影剤の作成工学部の研究協力者たちのグループにより人工ウイルスの基盤は確立しているが、本年度はこの改変手法として遺伝子組み換え等、複数の方法を更に開発し、またこれまでの成果に基づき、特定の高悪性度癌細胞集団を選択的に検出するための標的分子としてCXCR4を選択し、これに選択的なMRI造影剤を作成し、実際にin vivoでマウスに投与した。その結果、標的臓器の分子イメージングの足がかりとなる結果を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

人工ウイルスに組み込む治療標的遺伝子を新規に見出し、in vivo での分子イメージングや治療実験を行ったから。

今後の研究の推進方策

細胞株由来の同所移植マウスモデルを用いて、人工ウイルス改変MRI 造影剤の評価をおこなう。In vitro, in vivo の機能解析により、分子イメージングの精度と特異性を検証していく。また、通常のSCID マウスと細胞株を用いた実験モデルとともに新規免疫不全マウスをもいて、手術切除標本から復元した腫瘍をマウスの同所に再現したモデルを用いて新規に開発した人工ウイルス改変DDSの効果を評価する。

次年度の研究費の使用計画

本研究を遂行するにあたって必要な主要装置(共焦点レーザー顕微鏡、フローサイトメーター、in vivo 蛍光イメージャー、リアルタイムPCR, 蛍光顕微鏡、遺伝子導入装置、バイオアナライザー、ナノドロップ、FACS 機器など)は既に研究室内に設置されている。この他の機器(透過型電子顕微鏡、DNA シークエンサー、高感度動物用MRIなどはすでに病院地区内で我々のグループにより稼働中であり、また臨床用のオープンMRI もすでに設置しているため研究経費において新たな設備備品の購入は不要である。おもに免疫不全マウスの購入やウイルス導入に必要な試薬などの消耗品の購入に研究費を使用する計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Tumor-stroma interactions reduce the efficacy of adenoviral therapy through the HGF-MET pathway.2011

    • 著者名/発表者名
      Yasui T et al.
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 102 ページ: 484-491

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Adenoviral therapy is more effective in gemcitabine-resistant pancreatic cancer than in gemcitabine-sensitive cells.2011

    • 著者名/発表者名
      Yasui T et al.
    • 雑誌名

      Anticancer Research

      巻: 31 ページ: 1279-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inhibition of p600 expression suppresses bothi nvasiveness and anoikis resistance of gastric cancer.2011

    • 著者名/発表者名
      Sakai H et al.
    • 雑誌名

      Annals of Surgical Oncolgy

      巻: 18 ページ: 2057-2065

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Claudin-4 Expression Predicts Survival in Pancreatic Ductal Adenocarcinoma.2011

    • 著者名/発表者名
      Tsutsumi K et al.
    • 雑誌名

      Annals of Surgical Oncolgy

      巻: In press ページ: In press

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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