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2011 年度 実施状況報告書

糖鎖プロファイリングによる胆道系悪性腫瘍の分子マーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 23659659
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

山本 雅一  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60220498)

研究分担者 有泉 俊一  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40277158)
太田 岳洋  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70203792)
正田 純一  筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード肝内胆管癌 / バイオマーカー / 糖鎖医学 / レクチン / 胆道癌モデル
研究概要

肝内胆管癌 (IHCC)は完全治癒の期待出来ない難治性の癌である.近年,本邦ならびに欧米諸国ではIHCCの発生率は増加傾向にある.その治療成績の向上には,早期診断のための鋭敏な分子マーカーの探索が急務である.そこで今回は,高感度糖鎖プロファイリング解析によるIHCCの特異的糖蛋白質マーカーの探索とその高感度検出システムの構築を行った.肝内胆管癌に特異的なプローブレクチン探索のために,IHCC44例(肝内結石症合併14例,非合併31例)の組織標本をレクチンアレイにて解析した. 組織標本の癌および非癌部領域の双方についてレクチンアレイによる比較糖鎖プロファイリングを行った.その結果,癌部で有意にシグナルが上昇するレクチン種(WFA)が見出された.本レクチン種の陽性率はIHCC 88%,混合型肝癌 CC部分 80%/HCC部分 0%,HCC 0%,正常肝内胆管 32%であった.WFAは組織染色において,IHCC癌部に特異的な染色様式(apical-, cytoplasmic-, diffuse-type)を示した.また,蛍光免疫染色にて,WFAはMY.1E12 抗体で認識されるmucin core polypeptide 1 (MUC1)と一部 merge していた.WFA-MY.1E12の胆管癌の検出に向けた有用性の検証のために,WFA-MY.1E12(レクチン-抗体)による簡易サンドイッチアッセイ系の構築した.本アッセイ系を用いて,肝内胆管癌,肝外胆管癌と胆道系良性疾患より得られた胆管胆汁におけるWFA-MY.1E12を測定し数値解析したところ,胆汁中CA19-9 と比較して感度の面で良好なスコアが示された. 高感度糖鎖プロファイリング解析により肝内ならびに肝外胆管癌に特異的な糖蛋白質マーカーを見出した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

胆管癌特異的な糖鎖関連マーカーを見出し、 これを標的として高感度なサンドイッチアッセイ系を構築できる目安がついた。今後は胆汁および血清を用いた胆管癌検出における本システムの構築をすすめる一方で、より多くの検体を用いた検証実験を行っていく。

今後の研究の推進方策

胆道癌は胆道の慢性炎症を背景に発生してくることより,従来の腫瘍マーカーは炎症病態の影響によりその診断学的有用性は乏しい.糖鎖は「細胞の顔」であり,細胞表面の粘液糖蛋白の糖鎖構造は癌化により変化する.胆道癌モデル動物および胆道癌の臨床標本を対象に,高感度糖鎖プロファイラーであるレクチンマイクロアレイを用いて癌特異的なプローブレクチンを探索し,さらに,プロテオーム解析にて糖鎖分子のキャリアー蛋白を同定する.これら胆道癌特異的な糖鎖関連分子マーカーを標的とする新しい高感度なレクチン-抗体サンドイッチELISAによる測定系を構築していく.

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は,1)癌特異的レクチン種のキャリアータンパク分子について,プロテオミクス解析によりタンパク質の候補分子の同定を行う.2)検証実験の結果をもとに,絞り込まれたレクチン種とキャリアータンパク分子候補について適切な組み合わせを考案し,レクチン-抗体サンドイッチELISAによる測定システムを構築する.得られた研究データをもとに,学会発表ならびに論文作成を行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 糖鎖プロファイリング解析による肝内胆管癌の新規糖蛋白質マーカーの開発

    • 著者名/発表者名
      正田純一
    • 学会等名
      日本肝臓学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      平成23年6月

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公開日: 2013-07-10  

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