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2011 年度 実施状況報告書

人工神経を用いた新しい横隔神経再建法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23659665
研究機関京都大学

研究代表者

稲田 有史  京都大学, 再生医科学研究所, 講師 (90254515)

研究分担者 中村 達雄  京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード神経再生 / 人工神経 / 横隔膜 / 呼吸不全 / 神経移植 / 横隔神経 / コラーゲン / 電気生理
研究概要

本研究の目的は、人工神経を用いた新しい横隔神経再建法を開発することである。横隔神経は肺癌の縦隔浸潤に際しては切断されることがあり、従来、肋間神経移行などが行われることがあったが、再建の標準術式は未だにない。一方、整形外科領域では自己組織再生型の人工神経が臨床応用され、自家神経移植に代わる治療として注目されている。本研究ではイヌのモデルにおいて、従来の術式の中では一番好成績が予想される血管柄付自家神経移植と比較して、人工神経の有用性を胸部外科領域で検討している。 動物実験用に直径2mm、長さ3cmのポリグリコール酸チューブから内部にコラーゲンを充填した人工神経を作製した。これを用いてビーグル犬の右側横隔神経欠損部(L=2cm)の再建を行っている。コントロールには従来最も成績が良いとされてきた有茎神経移植として局所で横隔神経を2カ所で切断してマイクロサージャリーの手法で端々吻合した群を作り、6~12ヶ月にわたり経時的に各群の回復を電気生理学、X線、MR画像で評価するとともに、12ヶ月後に病理組織学的にシュワン細胞と神経軸索の回復を確認中である。 ビーグル犬に対し、右開胸下に横隔神経を横隔膜上5cmの高さで2cm切除して、これをφ2mm、長さ25mmのPGA-コラーゲンチューブで架橋再建する(N=10)。対照群として、同位部で2カ所2cm感覚で横隔神経を切除後、マイクロサージャリーの手法を用いて9-0ナイロン糸で端々吻合した群(N=10)を作製した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

人工神経作製や動物実験モデルの作製を順調に行なっている。抑制性のシナプス伝達IPSP測定に関しては電位が微弱であり新しいシステムを作る必要があることが判明してこれの設計を行なう。

今後の研究の推進方策

ビーグル犬(体重8~12kg)を用いて右開胸下に横隔神経を切断。長さ1cmの欠損を作製して同部を人工神経(PGA-C tube)で再建するモデルで神経再生を評価する。コントロールには神経電気刺戦装置によるペーシングを併用してデータの信頼度を高める予定である。

次年度の研究費の使用計画

動物実験(ビーグル犬横隔神経再生モデル)を行なうための消耗品費(動物代、飼料代、手術用品、コラーゲン、PGA、繊維代、薬品代等)、研究打合わせのための旅費ならびに実験補助に対する謝金として使用する予定である。

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (15件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Management of vocal fold lesions in difficult laryngeal exposure patients in phonomicrosurgery.2011

    • 著者名/発表者名
      Ohno, S., Hirano, S., Tateya, I., Kojima, T., Ito, J
    • 雑誌名

      Auris Nasus Larynx

      巻: 38 ページ: 373-380

    • DOI

      DOI10.1016/j.anl.2010.10.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Implantation of an atelocollagen sponge with autologous bone marrow-derived mesenchymal stromal cells for treatment of vocal fold scarring in a canine model.2011

    • 著者名/発表者名
      Ohno, S., Hirano, S., Kanemaru, S., Kitani, Y., Kojima, T., Tateya, I., Nakamura, T., Ito, J
    • 雑誌名

      Ann Otol Rhinol Laryngol

      巻: 120 ページ: 401-408

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tissue-engineered airway and"in situ tissue engineering".2011

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, T.
    • 雑誌名

      Gen Thorac Cardiovasc Surg

      巻: 59 ページ: 91-97

    • DOI

      10.1007/s11748-010-0677-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 肺における再生医療.2011

    • 著者名/発表者名
      中村達雄
    • 雑誌名

      Clinical Engineering

      巻: 22 ページ: 32-36

  • [雑誌論文] 人工神経を中心とする生体内再生治療を用いた複合性局所疼痛症候群(CRPS)の治療.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 雑誌名

      整形外科

      巻: 62 ページ: 809-814

  • [雑誌論文] 機能再建のマイスターは何をみているのか.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 雑誌名

      DOCTOR'S NETWORK

      巻: 45 ページ: 23-27

  • [学会発表] 静脈穿刺後神経障害は、穿刺が原因か否か?-日赤献血事業での末梢総和仮説の検証-.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 学会等名
      第54回日本手外科学会学術集会サテライトシンポジウム
    • 発表場所
      青森
    • 年月日
      2011.8.19
  • [学会発表] 月状三角骨不安定症に対する背側手根靭帯を用いた靭帯再建術.2011

    • 著者名/発表者名
      面川庄平
    • 学会等名
      第54回日本手外科学会学術集会サテライトシンポジウム
    • 発表場所
      青森
    • 年月日
      2011.8.19
  • [学会発表] 食道良性狭窄の生じるメカニズムと内視鏡治療の開発.2011

    • 著者名/発表者名
      本多通孝
    • 学会等名
      第81回消化器内視鏡学会総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011.8.17-19
  • [学会発表] 静脈後穿刺後神経障害は、穿刺が原因か否か?-第一報日赤献血事業での末梢総和仮説の検証-.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 学会等名
      第33回日本疼痛学会
    • 発表場所
      松山
    • 年月日
      2011.7.22-23
  • [学会発表] 神経損傷への戦略.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 学会等名
      第3回日本重度四肢外傷セミナー
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2011.7.16-17
  • [学会発表] 皮弁による再建.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 学会等名
      第3回日本重度四肢外傷セミナー
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2011.7.16-17
  • [学会発表] CRPS病態別外科的治療.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 学会等名
      第9回整形外科痛みを語る会
    • 発表場所
      松山
    • 年月日
      2011.6.25-26
  • [学会発表] Investigation of optimized conditions for RNA-based cellular reprogramming.2011

    • 著者名/発表者名
      Shimada, H.
    • 学会等名
      ISSCR
    • 発表場所
      Toronto(Canada)
    • 年月日
      2011.6.15-18
  • [学会発表] 静脈穿刺後神経障害は、穿刺が原因か否か?-日赤献血事業での末梢総和仮説の検証-.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 学会等名
      平成23年度第1回検診医師研修会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2011.5.26
  • [学会発表] 脂肪組織由来間葉系細胞の自家移植による食道ESD後狭窄の予防.2011

    • 著者名/発表者名
      本多通孝
    • 学会等名
      第97回日本消化器病学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011.5.13-15
  • [学会発表] 外傷後難治性疼痛への挑戦-整形外科医の成功と苦悩の変遷.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 学会等名
      日本賠償科学会第59回研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011.12.3
  • [学会発表] 外傷性末梢神経分岐部・高位欠損治療に使用されたPGA-Collagen tube内で本当に神経は再生したのか?-2症例の8年follow-upから.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 学会等名
      第38回日本マイクロサージャリー学会学術集会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2011.11.10-12
  • [学会発表] 献血後神経障害は、穿刺が原因か否か?-第一報日赤献血事業での末梢総和仮説の検証-.2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 学会等名
      第35回日本血液事業学会総会
    • 発表場所
      埼玉
    • 年月日
      2011.10.20-22
  • [学会発表] 過去約2年間に神経損傷・神経障害の疑いで病院を受診した当センター10症例の検討.2011

    • 著者名/発表者名
      岩下恵子
    • 学会等名
      第35回日本血液事業学会総会
    • 発表場所
      埼玉
    • 年月日
      2011.10.20-22
  • [学会発表] 献血者における上司のSubclinicalな状態に出現頻度.2011

    • 著者名/発表者名
      南垣内夏子
    • 学会等名
      第35回日本血液事業学会総会
    • 発表場所
      埼玉
    • 年月日
      2011.10.20-22
  • [図書] 神経障害性疼痛2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 総ページ数
      426
    • 出版者
      神経再生療法.

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公開日: 2013-07-10  

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