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2011 年度 実施状況報告書

新手法を用いた膜受容体関連遺伝子異常検索

研究課題

研究課題/領域番号 23659674
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

藤井 義敬  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40156831)

研究分担者 佐々木 秀文  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00336695)
矢野 智紀  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40315883)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード肺癌 / KIF5B/RET / RET / FISH / CISH
研究概要

Dana Farber Cancer Instituteとの共同研究により、肺腺癌において次世代シーケンスを用いて新たな遺伝子変異を検索したところ、KIF5BとRET遺伝子の転座融合遺伝子を新規に同定した。この転座遺伝子にはいくつかのバリアントが存在し、肺腺癌の1-2%程度に生じることがわかった。日本の他の二つのグループから同じ転座が報告されているが、非喫煙者や女性に多い、このKIF5B/RET転座融合遺伝子の全長を細胞に導入したところVandetanib, Sorafinib, SunitinibといったRET阻害剤に高感受性となった。現在、臨床検体を用いてこの融合遺伝子を検出する試みを行っている。5’KIF5Bや、3’RET遺伝子のBACクローンをいくつか組みあわせる事によってFISH用のプローブを作製した。この従来の蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(FISH)法を用いて、転座の検出が可能となったため、CISH (chromogenic in situ hybridization)をもちいる方法が可能か、検討中である。さらにLightCyclerによるリアルタイムPCRを用いてRET遺伝子の5’側と3’側を分けて定量を行う試みも行っている。3’側を認識するとされる市販されている二種類の特異的抗RET抗体での免疫組織学的検討も行ったが、FISH法との十分な相関は得られず、条件設定に苦慮している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

23年度には新たな遺伝子転座を証明できたが、この検出方法としては従来からのFISH法での検出のみが成功している。FISH法は比較的高価で、蛍光顕微鏡など特殊な装置を要する上に、蛍光が減退してしまうので永久保存ができない。CISHやリアルタイムPCR法などで、簡便に検出する方法を検索したい。

今後の研究の推進方策

肺癌における新たな分子標的の可能性があるKIF5B/RET転座を検出する、新手法を用いた検出方法の確立を目指す。例えばCISH法は、発色色素を用いて可視化するため、通常の光学顕微鏡でも検出できるうえに、標本は永久保存可能で、きわめて短時間に判定できる。さらにリアルタイムPCR法やプローブ法による検出も試みたい。

次年度の研究費の使用計画

肺癌におけるKIF5B/RET遺伝子転座の状況をさらに多くの検体で検索する。KIF5B/RET遺伝子検出を行うFISH法を改良し、従来までに報告してきた方法との比較検討を行う。さらにCISH法の条件を変更して満足な結果が得られるよう試みる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of new ALK and RET gene fusions from colorectal and lung cancer biopsies2012

    • 著者名/発表者名
      Lipson D, Capelletti M, Yelensky R, Otto G, Parker A, Jarosz M, Curran JA, Balasubramanian S, Bloom T, Brennan KW, Donahue A, Downing SR, Frampton GM, Garcia L, Juhn F, Mitchell KC, White E, White J, Zwirko Z, Peretz T, Nechushtan H, Soussan-Gutman L, Kim J, Sasaki H, Kim HR, Park SI, Ercan D, Sheehan CE, Ross JS, Cronin MT, Janne PA, Stephens PJ
    • 雑誌名

      Nat Med

      巻: 18(3) ページ: 382-384

    • DOI

      10.1038/nm.2673.

    • 査読あり
  • [産業財産権] KIF5B遺伝子とRET遺伝子との間の転座を検出するFISHアッセイ2012

    • 発明者名
      佐々木秀文
    • 権利者名
      名古屋市立大学、ダコジャパン株式会社、株式会社GSP研究所
    • 産業財産権番号
      特許: 2012-015939
    • 出願年月日
      2012年01月27日

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公開日: 2013-07-10  

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