研究概要 |
前年度までの実験で補強素材を使用することで切離時間の短縮が期待できる結果を得ていた。今年度は切離対象となる豚血管を増やし確認実験を行った。切離対象は豚頸動脈(全6群, 各群n=10, 血管径2.5~5.5mm, 平均4.4mm) 。補強素材としては酸化セルロース貼付剤(サージセルニューニット®)、酸化セルロース貼付剤(サージセルガーゼ®)、ポリグルコール酸シート(ネオベール®)、コラーゲン使用吸収性止血材(インテグランシート®) 、シート状生物学的組織接着・閉鎖剤(タコシール®)を使用した。評価項目は断端の耐圧性、切離時間、断端の癒合距離とし、対照群との比較検討などを行った。結果、2種類の酸化セルロース貼付剤を使用した際に有意に切離時間を短縮することが確認できた。またこの2種類の酸化セルロース貼付剤の中でも厚みのあるサージセルニューニット®で最も切離時間が短い結果となった。一方の耐圧性に関しては切離時間の短縮による低下は見られなかった。切離に影響を与える因子の1つとして素材の違いや垂直荷重などによる摩擦抵抗が考えられた。更には摩擦に影響する因子としては超音波凝固切開装置の振動数により凝固切離に影響を与えることも指摘されていることから追加実験としてオシロスコープにより振動数を変化させ凝固切開への影響を確認する作業をおこなっている。 研究成果報告としては2013年11月の日本内視鏡外科学会、2014年4月の日本外科学会で随時経過報告を行った。今後は国外に向けては2014年6月のComputer Assisted Radiology and Surgery 2014での報告を予定している。
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