がん細胞エネルギー代謝研究とグリオーマ幹細胞研究の融合による新たな研究領域の創成

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23659682
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 脳神経外科学
• 研究機関: 山形大学
• 研究代表者: 北中 千史 山形大学, 医学部, 教授 (70260320)
• 連携研究者: 砂山 潤 山形大学, 医学部, 助教 (80466606) ; 佐藤 篤 山形大学, 医学部, 助教 (30455901)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2012
• キーワード: glioma-initiating cell

研究概要

本研究では悪性グリオーマで高頻度に見られるミトコンドリア呼吸の抑制とそれにともなう好気的解糖の亢進（Warburg効果）がグリオーマ幹細胞の維持に寄与しているという作業仮説を検証するべく、ミトコンドリア呼吸促進薬がグリオーマ幹細胞に及ぼす影響について検討を行った。その結果ミトコンドリア呼吸の回復とともにグリオーマ幹細胞の幹細胞性が失われることが明らかとなった。この結果はグリオーマにおけるWarburg効果が幹細胞維持に重要な役割を果たしており、Warburg効果が幹細胞表的治療のよい治療標的となりうることを示唆している。

研究成果

• [雑誌論文] JNK contributes to temozolomide resistance of stem-like glioblastoma cells via regulation of MGMT expression (2014)
  • 著者名/発表者名: Okada M, Sato A, Shibuya K, Watanabe E, Seino S, Suzuki S, Seino M, Narita Y, Shibui S, Kayama T, Kitanaka C
  • 雑誌名: Int J Oncol 巻: 44 ページ: 591-599
  • 査読あり
• [雑誌論文] Pivotal role for ROS activation of p38 MAPK in the control of differentiation and tumor-initiating capacity of glioma-initiating cells (2014)
  • 著者名/発表者名: Sato A, Okada M, Shibuya K, Watanabe E, Seino S, Narita Y, Shibui S, Kayama T, Kitanaka C
  • 雑誌名: Stem Cell Res 巻: 12 ページ: 119-131
  • 査読あり
• [雑誌論文] Specific role of JNK in the maintenance of the tumor-initiating capacity of A549 human non-small cell lung cancer cells (2013)
  • 著者名/発表者名: Okada M, Shibuya K, Sato A, Seino S, Watanabe E, Suzuki S, Seino M, Kitanaka C
  • 雑誌名: Oncol Rep 巻: 30 ページ: 1957-1964
  • 査読あり
• [雑誌論文] Resveratrol promotes proteasome-dependent degradation of Nanog via p53 activation and induces differentiation of glioma stem cells (2013)
  • 著者名/発表者名: Sato A, Okada M, Shibuya K, Watanabe E, Seino S, Suzuki K, Narita Y, Shibui S, Kayama T, Kitanaka C
  • 雑誌名: Stem Cell Res 巻: 11 ページ: 601-610
  • 査読あり
• [雑誌論文] JNK signaling in the control of the tumor-initiating capacity associated with cancer stem cells (2013)
  • 著者名/発表者名: Kitanaka C, Sato A, Okada M
  • 雑誌名: Genes Cancer 巻: 4 ページ: 388-396
  • 査読あり
• [雑誌論文] Glioma-initiating cell elimination by metformin activation of FOXO3 via AMPK (2012)
  • 著者名/発表者名: Sato A, Sunayama J, Okada M, Watanabe E, Seino S, Shibuya K, Suzuki K, Narita Y, Shibui S, Kayama T,Kitanaka C
  • 雑誌名: Stem Cells Transl Med 巻: 1 ページ: 811-824
  • 査読あり
• [雑誌論文] Targeting JNK for therapeutic depletion of stem-like glioblastoma cells (2012)
  • 著者名/発表者名: Matsuda K, Sato A, Okada M, Shibuya K, Seino S, Suzuki K, Watanabe E, Narita Y, Shibui S, Kayama T, Kitanaka C
  • 雑誌名: Sci Rep 巻: 2 ページ: 516
  • 査読あり
• [雑誌論文] MEK-ERK signaling dictates DNA-repair gene MGMT expression and temozolomide resistance of stem-like glioblastoma cells via the MDM2-p53 axis (2011)
  • 著者名/発表者名: Sato A, Sunayama J, Matsuda K, Seino S, Suzuki K, Watanabe E, Tachibana K, Tomiyama A, Kayama T, Kitanaka C
  • 雑誌名: Stem Cells 巻: 29 ページ: 1942-1951
  • 査読あり
• [雑誌論文] FoxO3a functions as a key integrator of cellular signals that control glioblastoma stem-like cell differentiation and tumorigenicity (2011)
  • 著者名/発表者名: Sunayama J, Sato A, Matsuda KI, Tachibana K, Watanabe E, Seino S, Suzuki K, Narita Y, Shibui S, Sakurada K, Kayama T, Tomiyama A, Kitanaka C
  • 雑誌名: Stem Cells 巻: 29 ページ: 1327-1337
  • 査読あり
• [学会発表] 臨床応用を目指したがん幹細胞研究 ～グリオーマ幹細胞を題材として～ (2014)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第23回泌尿器科分子・細胞研究会特別セミナー
  • 発表場所: 山形(霞城セントラル)
  • 年月日: 2014-03-15
• [学会発表] 臨床応用を見据えた悪性脳腫瘍がん幹細胞研究～がん根治療法開発を目指して～ (2013)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第6回秋田脳腫瘍セミナー特別講演
  • 発表場所: 秋田(イヤタカ)
  • 年月日: 2013-11-15
• [学会発表] レスベラトロールによるNanog-p53 経路を介したグリオーマ幹細胞の制御 (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐藤篤, 岡田雅司, 渋谷慶太, 清野静香, 成田善孝, 渋井壮一郎, 北中千史,嘉山孝正
  • 学会等名: 第14回日本分子脳神経外科学会
  • 発表場所: 横浜(パシフィコ横浜)
  • 年月日: 2013-10-19
• [学会発表] メトホルミンによるAMPK-FOXO3 経路を介したグリオーマ幹細胞の制御 (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐藤篤, 岡田雅司, 成田善孝, 渋井壮一郎, 北中千史, 嘉山孝正
  • 学会等名: 日本脳神経外科学会第72回学術総会
  • 発表場所: 横浜(パシフィコ横浜)
  • 年月日: 2013-10-17
• [学会発表] A549 非小細胞肺癌細胞の腫瘍形成能維持におけるJNKの特異的な役割 (2013)
  • 著者名/発表者名: 岡田雅司, 渋谷慶太, 佐藤篤, 鈴木修平, 清野学, 北中千史
  • 学会等名: 第72回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜(パシフィコ横浜)
  • 年月日: 2013-10-03
• [学会発表] がん予防の今とこれから、そして未来のがん治療～がん幹細胞を標的とする新たながん治療の開発を目指して～ (2013)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 日本体力医学会東北地方会第22回大会
  • 発表場所: 山形(山形県立保健医療大学)
  • 年月日: 2013-06-08
• [学会発表] 治療への応用を目指したグリオーマ幹細胞研究--アップデート-- (2013)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第46回東北脳腫瘍研究会研究会特別講演
  • 発表場所: 仙台(江陽グランドホテル)
  • 年月日: 2013-04-06
• [学会発表] グリオーマ幹細胞 (2013)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第8回脳腫瘍の基礎シンポジウム特別講演
  • 発表場所: 東京(大手町サンケイプラザ)
  • 年月日: 2013-03-02
• [学会発表] グリオーマ幹細胞 (2013)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第2回Multidisciplinary Meeting on Atherosclerosis 特別講演
  • 発表場所: 仙台(仙台トラストシティ)
  • 年月日: 2013-01-05
• [学会発表] グリオーマ幹細胞に着目した脳腫瘍研究 ～治療への応用を目指して～ (2012)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第1回Neuro-Oncology West 研究会
  • 発表場所: 大阪(ヒルトン大阪)
  • 年月日: 2012-12-08
• [学会発表] グリオーマ幹細胞におけるJNK の役割とその治療標的としての意義 (2012)
  • 著者名/発表者名: 佐藤篤, 松田憲一朗, 岡田雅司, 成田善孝, 渋井壮一郎, 北中千史, 嘉山孝正
  • 学会等名: 第30回日本脳腫瘍学会学術総会
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 2012-11-25
• [学会発表] グリオーマ幹細胞 (2012)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第7回鹿児島脳腫瘍セミナー特別講演
  • 発表場所: 鹿児島(城山観光ホテル)
  • 年月日: 2012-11-16
• [学会発表] グリオーマ幹細胞における分化誘導因子FOXO3 をターゲットとした治療法の開発 (2012)
  • 著者名/発表者名: 佐藤篤, 砂山潤, 岡田雅司, 成田善孝, 渋井壮一郎, 北中千史, 嘉山孝正
  • 学会等名: 第71回日本脳神経外科学会総会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2012-10-17
• [学会発表] グリオーマ幹細胞 (2012)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第5回玄海脳腫瘍セミナー特別講演
  • 発表場所: 福岡(ソラリア西鉄ホテル)
  • 年月日: 2012-07-06
• [学会発表] グリオーマ幹細胞の維持に関わる分子機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第3回東京前立腺会議招待講演
  • 発表場所: 東京(帝国ホテル)
  • 年月日: 2012-07-05
• [学会発表] 脳腫瘍のcell biology ～グリオーマ幹細胞～ (2012)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第30回日本脳腫瘍病理学会生涯教育セミナー
  • 発表場所: 名古屋(名古屋国際会議場)
  • 年月日: 2012-05-25
• [学会発表] グリオーマ幹細胞 ～診断/治療への応用を目指して～ (2012)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第45回東北脳腫瘍研究会研究会特別講演
  • 発表場所: 仙台(江陽グランドホテル)
  • 年月日: 2012-04-07
• [学会発表] グリオーマ幹細胞に着目した脳腫瘍研究 ～診断治療への応用を目指して～ (2012)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第66回山形脳神経外科懇話会特別講演
  • 発表場所: 山形(パレスグランデール)
  • 年月日: 2012-01-28
• [学会発表] グリオーマ幹細胞におけるFoxO3a を介した分化と造腫瘍能の制御 (2011)
  • 著者名/発表者名: 佐藤篤, 砂山潤, 松田憲一朗, 立花研, 渡部江梨子, 清野静香, 鈴木香,成田善孝, 渋井壮一郎, 富山新太, 北中千史, 嘉山孝正
  • 学会等名: 第29回日本脳腫瘍学会学術総会
  • 発表場所: 下呂
  • 年月日: 2011-11-27
• [学会発表] Glioma stem cell -Dissecting the molecular mechanism involved in the maintenance of stem-like glioblastoma cells for future application to glioblastoma treatment - (2011)
  • 著者名/発表者名: Kitanaka C
  • 学会等名: The 24^<th> International Symposium on Cancer Research
  • 発表場所: Tokyo
  • 年月日: 2011-11-23
• [学会発表] グリオブラストーマ克服を夢見て脳神経外科専門医が迷い込んだ道 ～グリオーマ幹細胞研究を中心に～ (2011)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第3回山梨脳腫瘍研究会
  • 発表場所: 甲府
  • 年月日: 2011-10-21
• [学会発表] グリオーマ幹細胞におけるMGMT 発現制御の分子機構に関する検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 佐藤篤, 松田憲一朗, 砂山潤, 清野静香, 鈴木香, 渡部江梨子, 立花研,富山新太, 北中千史, 嘉山孝正
  • 学会等名: 第12回日本分子脳神経外科学会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-10-15
• [学会発表] 腫瘍幹細胞仮説はグリオブラストーマに根治をもたらすか? (2011)
  • 著者名/発表者名: 北中千史
  • 学会等名: 第70回日本脳神経外科学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-10-13
• [学会発表] MEK 経路阻害によるMGMT 発現およびテモゾロミド感受性に関する検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 佐藤篤, 松田憲一朗, 砂山潤, 清野静香, 鈴木香, 櫻田香, 立花研, 富山新太, 北中千史, 嘉山孝正
  • 学会等名: 第70回日本脳神経外科学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-10-12
• [学会発表] MEK inhibition enhances temozolomide sensitivity of glioma stem-like cells via MGMT down-regulation (2011)
  • 著者名/発表者名: Sato A, Matsuda KI, Sunayama J, Sakurada K, Tachibana K, Tomiyama A, Kitanaka C, Kayama T
  • 学会等名: 第70回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2011-10-03
• [学会発表] Molecular pathways involved in the maintenance and differentiation of stem-like glioblastoma cells (2011)
  • 著者名/発表者名: Kitanaka C
  • 学会等名: 第70回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2011-10-03