研究課題/領域番号 |
23659686
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
伊達 勲 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70236785)
|
研究分担者 |
黒住 和彦 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20509608)
|
キーワード | CCNファミリー / 脳動脈瘤 / 脳血管攣縮 |
研究概要 |
高齢化社会において増加中の動脈硬化による頭蓋内外血管狭窄症、あるいは脳卒中の主な原因のひとつである脳動脈瘤、難治性であるもやもや病(特定疾患)や脳動静脈奇形に対し、分泌蛋白CYR61の発現変化について検討し、分泌蛋白CYR61療法により、血管新生などの治療を行う。分泌蛋白CYR61療法は難治性で潜在的に多くの罹患率があると考えられる脳血管障害に応用可能である。上記目的より、われわれは、CYR61プラスミドはコラボレーターから供与をうけた。CYR61に対する効果的なshRNAを選別し、活性を抑えるCYR61抗体を選択した。CYR61蛋白の至適濃度を確認した。脳血管攣縮モデル、動脈硬化ウサギモデル、もやもや病モデルにおけるCYR61の発現解析を行っているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分泌蛋白CYR61の発現変化について検討し、分泌蛋白CYR61療法により、血管新生などの治療を行うために、CYR61タンパクプラスミドのセットアップはでき、モデルの作成も順調に行うことができたが、CYR61の発現解析ができていないため、現在、脳血管攣縮モデル、動脈硬化ウサギモデル、もやもや病モデルにおけるCYR61の発現解析を行っているところである。
|
今後の研究の推進方策 |
脳血管攣縮モデル、動脈硬化ウサギモデル、もやもや病モデルにおいて、分泌蛋白CYR61の発現について調べる。 In vivoにおいて、CYR61を強発現または抑制することにより、それぞれのモデルに対してどのような影響があたえられるかについて検討する。細胞膜透過性蛋白、11Rを用いた蛋白テラピーの併用:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・細胞生理学、松井秀樹教授らは、世界 に先駆けbeta galactosidaseレポーター蛋白と融合させた、細胞膜透過性蛋白、11Rをラット髄腔内に投与することにより脳神経細胞 内に外来蛋白質を発現させることに成功しているが、11R-各種蛋白質融合蛋白(ヘムオキシゲナーゼ-1、superoxide-dismutase、TGF- beta、low-density lipoprotein receptor、endothelial NOS、あるいはsuperoxide-dismutaseをCYR61と併用させて、より強力治療効 果を期待する。分泌蛋白CYR61と血管内治療を組み合わせた治療の可能性も模索する。つまり、イヌ脳動脈瘤、脳動静脈奇形モデルやウサギ頚動脈 狭窄モデルにおいてプラチナコイルに分泌蛋白CYR61を融合させ、血管内皮の増殖作用より脳動脈瘤、脳動静脈奇形を塞栓する試みや、動脈硬化を強く抑制する分泌蛋白CYR61とステントの融合による内頚動脈狭窄病変の実験的治療を試みる。統計学的データ解析を行い、学会発表・論文投稿する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本研究に於いて発生する経費は、犬、ウサギ、猫、ラット、マウスの細胞の培養・維持、タンパク定量や免疫染色用の抗体やキットな ど、研究に直結してくる消耗品が大半を占める。また、脳血管障害の分野は、神経科学の分野の中でも日進月歩の感があり、各種関連 学会に参加して脳血管障害についての知識を最新のものに保つ必要があり、小額の旅費は必要である。これら全ては研究に必要不可欠 なものであり、研究経費として妥当性もある。
|