研究課題/領域番号 |
23659688
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
田中 潤也 愛媛大学, プロテオ医学研究センター, 教授 (70217040)
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研究分担者 |
矢野 元 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00284414)
高橋 寿明 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20363228)
杉本 香奈 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00581034)
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キーワード | BINCs / マイクログリア / マクロファージ / アストロサイト / 細胞移植 / 脳梗塞 / 脳損傷 |
研究概要 |
脳梗塞・脳外傷などの重症脳傷害治療のために病巣核心部に移植するべき細胞種を決定するために、培養アストロサイト、マイクログリア、脳傷害核心部に集積するマクロファージなど脳傷害組織核心部への移植を試みた。しかしながら、同系動物由来の培養細胞の移植によっても拒絶反応は強く、多くの移植細胞がマクロファージによって貪食除去されてしまった。それに対し、脳梗塞巣から分離培養した骨髄由来のマクロファージBINCs(Brain Iba1+/NG2+ Cells)は、貪食除去されることが少なく、脳梗塞巣の予後改善に結びついた。 しかしながら、BINCsは重篤で大きな脳症外装にのみ集積する細胞であり、iPSやES細胞からどのようにして誘導できるのか全く不明である。そこで、本研究では、BINCsの能力を最大限に引き出すことを目的とする薬物治療法の開発研究も同時に行った。BINCsは骨髄由来であることが判明したため、骨髄造血系細胞の増殖を促進する成長因子類に対する受容体発現を検討した。その結果、BINCsには、GM-CSFおよびIL-3に対する受容体発現が高レベルであることが判明した。G-CSF、IL-3, GM-CSF、EGF等を脳梗塞ラットに対し、皮下投与を行う予備実験を行ったところ、IL-3とGM-CSFがある程度の改善効果を示した。 この結果を受けて、5FU注射を行いBINCs集積を抑制した針刺し脳損傷モデルラットに、IL3とGM-CSFの混合物を皮下注射した。このモデルでは、5FUによるBINCs集積抑制のため、概ね50%のラットが死亡するが、IL3とGM-CSF注射は、この死亡率を5%程度にまで抑制した。
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