研究概要 |
脳腫瘍摘出標本より核酸抽出と幹細胞培養の継続:脳腫瘍(神経膠腫)手術症例より核酸抽出と幹細胞培養を継続し、腫瘍幹細胞を樹立した。従来のLOH解析にIDH遺伝子変異、MGMTプロモーターメチル化解析を追加し、genotypingを継続した。IDH変異解析に関しては新たにhigh resolution melting: HRM法を導入し、ルーチン検査として確立した。 神経膠腫における遺伝子発現とmicroRNA発現解析:神経膠腫82例に対し、mesenchymal marker、proneural marker、stem cell marker計23遺伝子と神経膠腫関連miRNA 21個の発現を比較検討した。primary GBMではmesenchymal marker遺伝子、miR-21, -34aの発現上昇を認め、secondary GBMではproneural marker遺伝子、mi-504発現亢進を認めた。さらにmiR-128a, -504, -124, -184発現はmesenchymal marker発現と逆相関し、miR-128a, -504発現制御によりmesenchymal marker発現上昇を誘導し、miRNA発現が形質転換へ関与する可能性が示唆された。 脳腫瘍幹細胞異種動物移植モデル作成:樹立した脳腫瘍幹細胞を免疫不全マウスに移植し、脳腫瘍幹細胞脳内移植モデル、皮下移植モデルを作成した(19バッチ、57匹)。移植前後での遺伝子発現、miRNA発現変動を検討し、脳内腫瘍と皮下腫瘍にて異なる遺伝子発現を示した。 脳腫瘍移植モデル血中microRNA発現解析:脳腫瘍移植マウスモデル12匹(4バッチ)に対し、右心房より全血を採取し、全血清より分泌型microRNAを抽出した。TaqMan法にてmicroRNA発現解析が可能であることを証明した。
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