研究概要 |
妊娠ウイスターラットの腹腔内にethylnitrosourea (ENU)を投与して得られたENU誘導グリオーマラット(妊娠18日目に75mg/gの高容量を投与することで生後90日程度で高率にgrade IIのグリオーマを発症し)、その後180日までに、grade III、IVへと悪性転化するとされている)に、生後90日の時点で、定位脳手術装置で、Bregmaから頭側に0.8mm、右外側に1.3mm、深さが3mmの位置に、Plastics ONE社製の浸透圧ポンプ用シングルカニューラを留置して、p53非依存性に細胞周期を停止させるとされている化合物の投与を行い、その効果と安全性の評価を行った。評価は生後135日(処置後45日)に、脳を採取固定し、プレパラートを作成し、HE染色で腫瘍部分を確認、腫瘍部分が確認できた物は、WHOの規定に従って、gradeを判定すると共に、それに対応する連続切片を、抗Ki-67抗体(MIB-1)で染色し、MIB-1 labeling index (LI)を計測し、その平均値を算出した。平成23年度は化合物として、5-azo-2’-deoxycytidine (Decitabine)、Asparanin A、Chalcones、Chlorophyllin、luteolin、diphenyleneiodonium、Naringin、benzimidazo[1,2-alpha]quinoline、A674563, Ly294002、lithiumの有効性を判定した。残念ながら、これらの化合物は、コントロール群と比較して有意な効果は示さなかった。
|
次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画通り、平成23年度に引き続いて、残りの10個の化合物(Esculetin, diallyl disulfide, deoxynivalenol, paeoniflorin, psammaplin A, Sulforaphane, cryptolepine, Prodigiosin, dactylone, Prostaglandin A1 analog)の有効性と安全性を評価して行く。そして、上に記した通り、有意な効果を示す化合物が同定でき次第、その化合物に関して重点的に検索を行って行く。
|