研究課題/領域番号 |
23659694
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
谷川 元紀 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20343402)
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キーワード | astrocytoma / chemotherapy / p53 |
研究概要 |
妊娠ウイスターラットの腹腔内にethylnitrosourea (ENU)を投与して得られたENU誘導グリオーマラット(妊娠18日目に75mg/gの高容量を投与することで生後90日程度で高率にgrade IIのグリオーマを発症し)、その後180日までに、grade III、IVへと悪性転化するとされている)に、生後90日の時点で、定位脳手術装置で、Bregmaから頭側に0.8mm、右外側に1.3mm、深さが3mmの位置に、Plastics ONE社製の浸透圧ポンプ用シングルカニューラを留置して、p53非依存性に細胞周期を停止させるとされている化合物の投与を行い、その効果と安全性の評価を行った。評価は生後135日(処置後45日)に、脳を採取固定し、プレパラートを作成し、HE染色で腫瘍部分を確認、腫瘍部分が確認できた物は、WHOの規定に従って、gradeを判定すると共に、それに対応する連続切片を、抗Ki-67抗体(MIB-1)で染色し、MIB-1 labeling index (LI)を計測し、その平均値を算出した。平成24年度は化合物として、lithium、esculetin、diallyl disulfide、deoxynivalenol、paeoniflorin、psammaplin A、Sulforaphane、cryptolepineの有効性を判定した。残念ながら、これらの化合物は、コントロール群と比較して有意な効果は示さなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた10組に対して、8組の化合物の効果を評価できおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
未だastrocytomaの悪性転化の抑制に有効な化合物が同定できていない状態なので、このまま予定通り残り3組の化合物(Prodigiosin、dactylone、Prostaglandin A1 analog)の評価を続け、効果を示す化合物の同定を急ぐ。その結果奏効する化合物が同定できた場合は、予定通りその化合物のラットの生存期間に対する効果と安全性の解析を進めて行く。また、該当する化合物を同定できなかった場合は、新たなp53非依存性に細胞周期を停止させる効果を持つ化合物を追加して、それらのastrocytomaの悪性転化の抑制に対する効果の評価を行い、有効性を示す化合物の同定を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度に施行予定であった、残りの3組の化合物のastrocytomaの悪性転化の抑制に対する有効性の評価を、前年度よりの繰越金を使って施行して行く。その後有意な効果を示す化合物が同定でき次第、今年度分の資金を使って、その化合物のラットの生存期間に対する効果と安全性の解析を進めて行く。また、同定できなかった場合は、その時点で、新たにp53非依存性に細胞周期を停止させる効果を持つ化合物を検索し、その効果の評価を行う。
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