研究課題
中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)の腫瘍組織およびPCNSLから樹立した幹細胞におけるN結合型糖蛋白質糖鎖の網羅的解析を行い、疾患特異的なマーカーを探索し、新たな診断技術・分子標的療法の開発を目指している。 標的分子が明らかになったら、標的糖鎖に特異的に結合するLCAレクチン或いはアプタマーを用いてTargeting 化学療法、またisotopeなどを用いてin vivo で腫瘍のimagingが可能か、更に髄液・血清中の糖鎖を用いた診断が可能か等検討し、分子標的薬・診断マーカーの開発を目指す。PCNSLは生検術で診断されるため、研究を行うための十分量の組織が得られず国際的にも分子遺伝学的研究が進んでいない。我々は既に50症例の凍結腫瘍組織・髄液・血清を保有している。PCNSLの糖鎖に関しては、未知の領域であり研究の意義が高い。現在まで、PCNSLと全身性彌慢性大細胞性B細胞リンパ腫各30症例の組織をレーザーマイクロダイセクションを用いて組織から腫瘍細胞を取り出し、N結合型糖鎖を自動化、簡易化されたHPLCシステムを用いて解析中である。PCNSLと全身性リンパ腫との対比およびも参考として疾患特異的な糖鎖を検討中である。また、臨床情報も参考に糖鎖の発現パターンと予後、治療反応性の相関関係の解析を行い,バイオマーカーを選択の準備中である。 対象症例の選択、臨床情報の整理、および患者・その家族から解析の同意書の取得を行った。
3: やや遅れている
解析は徐々に進行しているが、中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)の幹細胞の樹立にはいたっておらず、その点が予定より遅れている。
中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)と全身性彌慢性大細胞性B細胞リンパ腫各50症例の組織をレーザーマイクロダイセクションを用いて組織から腫瘍細胞を取り出す。N結合型糖鎖を自動化、簡易化されたHPLCシステムを用いて解析する。PCNSLと全身性リンパ腫との対比および幹細胞の解析結果も参考として疾患特異的な糖鎖を検討する。また、臨床情報も参考に糖鎖の発現パターンと予後、治療反応性の相関関係の解析を行い,バイオマーカーを選択する。選択された分子を標的とする新たな診断技術・分子標的療法の開発を目指す。標的糖鎖に特異的に結合するLCAレクチン或いはアプタマーを用いてTargeting 化学療法、またisotopeなどを用いてin vivo で腫瘍のimagingが可能か、更に髄液・血清中の糖鎖を用いた診断が可能か等検討し、分子標的薬・診断マーカーの開発を目指す。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のシステムによる解析のための費用、さらにPCNSL腫瘍組織から幹細胞を樹立する研究を進める。標的糖鎖が明らかになったら、LCAレクチンまたはアプタマーを作製する。LCAレクチンまたはアプタマーに抗癌剤を包合し、PCNSL培養細胞を用いてin vitroで細胞障害能を検討する。さらに、髄液や血清を用いた糖鎖診断が可能かどうか、PCNSL患者の髄液および血清を用いてELISAをベースとした解析により検討する。
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