研究概要 |
これまでに我々は、Syndecan4KO(Syn4欠損)マウスの関節リウマチ(RA)モデル(CIA:collagen-inducedarthritis)を用いて、Syn4の欠損により関節炎の重症度・発症率が有意に低下することを明らかにした。またSyn4が所属リンパ節のB細胞に高発現していることを明らかとし、さらにSyn4KOマウスの所属リンパ節では、B細胞が効率よく抗体産生を行う場として重要な胚中心(germinalcenter)構造の形成異常と、胚中心形成に関与するB細胞亜群数が有意に低下していることを示した。またその結果として、自己組織の障害を引き起こすIgGサブクラス(totalIgG,IgG2a,IgG2b)の抗体産生がSyn4KOマウス群で有意に低下していたことも明らかとした。このことから、Syn4はB細胞応答を制御し、胚中心形成さらには抗体産生を促進させることで、RAの病態に深く関わっている可能性がある。
|