研究課題/領域番号 |
23659709
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 英也 東京大学, 医学部附属病院, 臨床登録医 (30436464)
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研究分担者 |
茂呂 徹 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20302698)
田中 健之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00583121)
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キーワード | 人工股関節手術 / 手術支援システム / 個別化医療 |
研究概要 |
本研究は現在臨床で広く行われている人工股関節手術における大きな課題の一つである人工股関節の設置不良による合併症や再手術を予防するための手術支援システムの開発が目的であった。最終年度である平成25年度には人工股関節を正確に設置するために前年度までに実施してきた三次元術前計画の研究と三次元積層技術を用いて作成する人工設置ガイドの開発を統合して完成した手術支援システムの臨床試験を実施とその結果の解析、成果発表を主に行った。臨床試験は東京大学附属病院にて臨床試験審査委員会の承認を経て10症例の医師主導の自主臨床試験としておこない「患者固有人工股関節設置ガイド」の有用性、安全性を検証した。設置ガイドを使用することで周術期の合併症や出血量、手術時間が延長することなく安全に手術がおこなえ、人工股関節の設置においては寛骨臼コンポーネントで90%、大腿骨コンポーネントでは100%で目標どおりの正確な設置が可能であったという結果が得られた。その内容を2013年日本股関節学会にて発表をおこない学術誌Hip Jointに投稿した。 全年度で研究計画にあった三次元術前計画の確立、人工股関節設置ガイドの開発、手術支援システムの臨床試験という3つの目標は達成された。 本手術支援システムは一般臨床使用で応用するには人工股関節ガイドの薬事承認と製品化という課題は残るが、人工股関節の設置不良という臨床での問題を解決する有効な手段の一つであることが示された。
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