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2012 年度 実施状況報告書

細胞を用いた成長軟骨帯の再生

研究課題

研究課題/領域番号 23659721
研究機関大阪大学

研究代表者

吉川 秀樹  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60191558)

研究分担者 樋口 周久  大阪大学, 学内共同利用施設等, 助教 (40432421)
キーワード成長軟骨帯 / 成長軟骨帯再生 / 早期骨端線閉鎖 / 3次元間葉系細胞由来組織 / 変形矯正
研究概要

前年度までの研究で、成長軟骨帯欠損モデル(6週齢New Zealand White Rabbitの脛骨近位成長軟骨帯内側に直径3mm、深さ5mmの成長軟骨帯欠損)に対して、3次元間葉系細胞由来組織の移植により、欠損部修復過程でおこる骨端と骨幹端との間の骨橋架橋の形成を抑制し、骨の変形を防ぐ事を示し、成長軟骨帯様の組織により修復されている事を示した。この実験結果を踏まえて、成長軟骨帯損傷後の骨橋架橋による早期成長軟骨帯閉鎖モデルを作製し、同様の実験を行った。これは、実際の臨床における、成長軟骨帯損傷後の骨橋架橋による早期成長軟骨帯閉鎖を模倣した実験系である。成長軟骨帯欠損モデルは、上記欠損モデル作成3週後のウサギとした。このモデルウサギは骨橋架橋を作り、高度の脛骨変形を呈した。変形出現後、骨橋切除・3次元間葉系細胞由来組織移植を行ったところ骨性架橋による脛骨変形が成長とともに変形改善を認めた。このモデルにおいては、臨床的に使用される骨ワックスの移植も行い、変形の改善を認めていたが、3次元間葉系細胞由来組織移植を行った群では、変形の改善のみならず、組織学的に成長軟骨帯様の再生を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までに3次元間葉系細胞由来組織を用いた成長軟骨帯再生は、単純な成長軟骨帯欠損モデルにおける3次元間葉系細胞由来組織移植の脛骨変形予防効果、成長軟骨帯損傷骨性架橋形成後の長管骨変形に対する変形改善効果の2点で有用な結果が得られている。さらに、どちらの実験系においても成長軟骨帯様の組織再生が認められ、当初予想の研究結果と同等の結果が得られていると考えている。しかし、3次元間葉系細胞由来組織移植による成長軟骨帯様組織への再生が、ドナー組織由来によるものかレシピエント組織由来によるものかの結論がでておらず、その機序は不明である。これまで、解明のためのウイルスを用いた実験系の確立を進めてきたが、この実験系では機序解明が困難であることが分かっている。この点を除けば、本研究は計画通りの達成度が得られていると考えている。

今後の研究の推進方策

今後の研究は、3次元間葉系細胞由来組織移植による成長軟骨帯再生の機序の解明に絞られている。これまでは、移植する間葉系細胞をウイルスなどによりマーキングを行い、移植細胞を中心とした組織の移植後の経時的変化を示していく実験系の確立を目指していた。しかし、1つの実験期間が2~3ヶ月に渡るため、この方法ではマーキングタンパクの発現消失があり、はっきりとしたデータが得られなかった。このため、今後は移植後初期からの組織変化を組織学的に経時変化を見ていくことで、成長軟骨帯の再生機序の解明につなげていきたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

研究費の使用は、これまでと同様に、実験動物(6週齢New Zealand White Rabbit)の購入費およびその飼育費・3次元間葉系細胞由来組織作成のための細胞培養関連費・再生成長軟骨帯を中心とした骨組織の組織学的および画像的な解析のための関連費などを含む消耗品のための費用である。また、研究結果の海外学会発表および論文発表を行う予定としている。

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公開日: 2014-07-24  

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