成長軟骨帯損傷は骨端と骨幹端が骨性に架橋されることにより、長軸方向への成長障害による短縮や変形を引き起こす。本研究では、骨組織にて置換された成長軟骨帯を再生する目的で、間葉系細胞の移植を行い、その再生が可能かどうかを検討した。我々は、滑膜由来の間葉系幹細胞から作成した3次元人工組織を成長軟骨帯に作成した損傷部位に移植することにより、成長軟骨帯様組織の再生に成功した。この組織は成長軟骨同様に細胞の柱状形態をとり、サフラニン染色にて濃染する軟骨組織からなっていた。また、成長軟骨帯様組織が再生していた長管骨は、3次元人工組織を移植しないコントロール群に比べて、骨長の回復と変形の矯正を認めた。
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