本研究の目的は、ヒト骨肉腫において、骨芽細胞分化に重要な役割を持つRunx2遺伝子のタンパク修飾の変化(リン酸化、アルギニンメチル化)の機能的意義、すなわち同修飾存在の有無と悪性度への関与を検討する。さらに、リン酸化とアルギニンメチル化修飾との相互関係を検討し、蛋白修飾部位をターゲットとした骨肉腫におけるオミックス解析技術を用いた新たな抗分子標的療法の開発をめざすことである。 今年度は、RUNX2とアルギニンメチル化酵素の相互作用の可能性をin vitroで検討しRUNX2のPRMT4及び5によるアルギニンメチル化を確認した。このメチル化修飾は骨肉腫細胞の細胞周期依存性であった。また、RUNX2の同蛋白修飾を骨肉腫検体にて発現を検討した。その結果、予後との関連も有る事が確認できた。RUNX2の発現は組織特異的であるため将来の分子特異的治療のターゲットとして期待できる研究成果を示す事ができた。
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