研究課題/領域番号 |
23659731
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
寺内 竜 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20575154)
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研究分担者 |
新井 祐志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50347449)
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キーワード | コネキシン43 / ギャップ結合 / 関節リウマチ / 炎症性サイトカイン / 破骨細胞 / 滑膜炎 |
研究概要 |
昨年度は、コネキシン43(Cx43)に対するsmall interfering RNA(siCx43)を用いたCx43の制御によって、炎症刺激による炎症性サイトカインおよびケモカインの産生が抑制されること、RANKL刺激による破骨細胞の活性化が抑制されることをin vitroで示した。 今年度は、ラットRAモデル(CIAラット)に対するsiCx43による関節炎抑制効果および骨破壊抑制効果を検討した。CIAラットの膝および足関節の滑膜組織におけるCx43の遺伝子発現は、CIA群およびCIA+non-specific small interfering(siNeg)群と比較して、CIA+siCx43群で約30%まで減少した。足部体積の増加は、免疫感作16日後から28日後まで、CIA群およびCIA+siNeg群に比べて、CIA+siCx43群で有意に抑制された。関節腫脹率はCIA+siCx43群で著明に低かった。単純X線像において、CIA+siNeg群で認めた骨破壊は、CIA+siCx43群で軽度で、X線学的スコアも低かった。組織学的には、CIA群やCIA+siNeg群で、関節腔への炎症性細胞の浸潤、滑膜の肥厚および軟骨下骨へのパンヌスによる侵食像と骨軟骨破壊を認めたが、CIA+siCx43群では無処置群と同様であった。破骨様細胞の増加は、CIA群やCIA+siNeg群に比べ、CIA+siCx43群ではわずかであった。組織学的スコアは、CIA群やCIA+siNeg群に比べ、CIA+siCx43群では有意に低かった。生存率は,すべての群で100%であった。体重は各群で有意差はなく、心臓、腎臓および精巣の組織学的変化はなかった。 以上から、ラットRAモデルに対するsiCx43による関節炎および骨破壊抑制効果を明らかにした。Cx43は、RAの新たな治療標的となる可能性が示唆された。
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