研究課題/領域番号 |
23659737
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
釈永 清志 富山大学, 大学病院, 准教授 (40187498)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 遠隔虚血プレコンディショニング / 可溶性フィブリンモノマー複合体 / NF-κB 活性 / 深部静脈塞栓症 / 抗炎症性効果 / 凝固活性動態 |
研究概要 |
本研究の目的は、遠隔虚血プレコンディショニング (remote ischemic preconditioning; RIPC) を実際に臨床応用し、その凝固活性動態に対する影響、及び抗炎症性効果を種々の生化学的マーカーや臨床的指標から評価し、その有効性の有無を明らかにすることである。RIPCは具体的には予定の整形外科手術(人工膝関節置換術)において、麻酔導入後執刀前に上肢をマンシェットにより5分間虚血―5分間再灌流を4 サイクル施行することにより実施する。当該研究ではまず、人工膝関節置換術におけるRIPCの抗炎症効果及び凝固活性動態を明らかにし、RIPCの有用性について評価する。本研究は臨床研究であり、研究計画は倫理委員会の審査を受け承認を得る必要がある。倫理委員会による承認が平成23年10月18日と大幅に遅れてしまったこと、更に予定していた手術整形外科手術の担当術者の海外渡航等が重なり、対象の予定手術が本院において激減してしまったことにより、実際の臨床研究開始が平成24年2月にずれこんでしまった。3月時点でようやく7例の症例で検体が得られたところである。サイトカインやNF-κB 活性等の生化学的マーカーについては既に検体を凍結保存してある。しかしながら、測定には96穴プレート測定キットを使用するため、キットが無駄にならないように検体がある程度集まってから効率的集約的に測定予定である。したがって、現時点ではまだRIPCの有効性を判定できるだけの結果および研究成果は得られていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は臨床研究であり、研究計画は倫理委員会の審査を受け承認を得る必要がある。倫理委員会による承認が平成23年10月18日と大幅に遅れてしまったこと、更に予定していた手術整形外科手術の担当術者の海外渡航等が重なり、対象の予定手術が本院において激減してしまったことにより、実際の臨床研究開始が平成24年2月にずれこんでしまった。3月時点でようやく7例の症例で検体が得られたところである。サイトカインやNF-κB 活性等の生化学的マーカーについては既に検体を凍結保存してある。しかしながら、測定には96穴プレート測定キットを使用するため、キットが無駄にならないように検体がある程度集まってから効率的集約的に測定予定である。したがって、現時点ではまだRIPCの有効性を判定できるだけの結果および研究成果は得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
3月から対象予定手術件数が順調に増加しており、また、4 月以降は週に1~2例のペースで対象手術が実施予定であるこから、これまでの遅れを確実に取り戻せる。ELIZAによる測定は検体数が40を超えたところで、集中的かつ効率的に実施する。10月までには50例を超える症例で確実に検体が収集できると予想されるので、同時期までに生化学的マーカーの測定及びデーター解析を同時進行で行い、遠隔虚血プレコンディショニング の有効性の有無について評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は主としてNF-κB 活性やサイトカインのELIZA測定キットの購入、その他測定系試薬の購入が中心となる。前年度は検体数がまだ少なく、測定系キットを早期に購入すると期限切れになるリスクがあったので、あえて購入を控えていた。次年度は検討症例数が確実に50例を超える予定である。一症例あたり4タイムポイント検体があるので、1測定項目あたり50例で200検体集まる。ダブルで測定すると、1ELIZAキットあたり40検体分測定可能なので、計5キット必要になる。したがって、ELIZA測定キット関連の計画的購入が必要になる。
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