研究課題/領域番号 |
23659738
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
信川 泰成 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (70377464)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 冬眠 / 低体温療法 / HP complex |
研究概要 |
本研究は、低体温療法に冬眠のメカニズムを取り入れ、より効果的で安全な低体温療法を開発しようとするもので、Hibernation protein complex (HP complex) に 注目し、HP complex を ラットの脳室内に投与することにより冬眠が実現できるか、その時のバイタルサインやその他の生体機能がどうなっているか、投与終了後は合併症なく覚醒するかどうかを調べるものである。平成 23 年度の研究計画では、ラットの脳室内に HP complex を投与することにより、ラットを冬眠状態にすることができるのかどうか調べる予定であった。しかし、HP complex の発見者である近藤宣昭博士に HP complex の入手方法を問い合わせたところ、博士が研究をされていた三菱化学生命科学研究所が閉鎖されてしまい、現在は HP complex を入手できないことが判明した。 そこで急遽研究計画を変更し、HP complex について近藤博士と長年共同研究されていた北里大学理学部生物科学科の高松信彦教授にお願いして、HP complex の cDNA を入手し、まずは自分たちの手で cDNA からHP complex を合成するべく、実験を継続中である。また、この HP complex 合成のために、連携研究者として安田善一医師を追加した。 もし、cDNA から HP complex を合成することに成功したら、本研究の遂行を実現できるだけでなく、冬眠研究にも格段の進歩をもたらすことができるのではないかと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
HP complex の発見者である近藤宣昭博士に HP complex の入手方法を問い合わせたところ、博士が研究をされていた三菱化学生命科学研究所が閉鎖されてしまい、現在は HP complex を入手できないことが判明した。 そこで急遽研究計画を変更し、HP complex について近藤博士と長年共同研究されていた北里大学理学部生物科学科の高松信彦教授にお願いして、HP complex の cDNA を入手し、まずは自分たちの手で cDNA からHP complex を合成するべく、実験を継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
できるだけ早く HP complex の合成に成功し、本来の研究目的であったラットへの HP complex の脳室内投与や、それに伴う生体の変化を調べる研究を推進していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度には、当初予定していたHP complexのラットへの脳内投与ができなかったため、備品、薬剤、動物を購入しなかったので、経費が残った。24年度には、HP complex を合成するための無細胞タンパク合成キットや cDNA の増幅や保存に関わる消耗品を購入する予定である。もし、HP complex 合成に成功した場合は、さらにラット購入・飼育費用やラット手術用の薬剤などの購入に使用する予定である。
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