研究実績の概要 |
ヒトの肺上皮を覆う上皮被覆液 (epithelial lining fluid, ELF)を対象に、液体クロマトグラフィー-マススペクトロメトリー(LC-MS)を用いた網羅的かつ定量的なプロテオーム解析を確立する。ELFの採取方法には、従来の一般的な採取方法である気管支洗浄法(Bronchoalveolar lavage, BAL)との比較において、より非侵襲的で経時的な採取が可能な気管支鏡下マイクロサンプリング法(Bronchoscopic microsampling, BMS)を用いた。生理的な状態や、急性肺障害(成人呼吸緊迫症候群[ARDS]、肺炎など)などの病的状態におけるELFプロテオーム・プロフィールを網羅的に捉え、疾患ベースでの診断学や病態把握・予後改善に関わるバイオマーカー探索や治療の効果判定に応用できるように分析結果について解析可能な技術を開発した。今後、さらに確立した方法について病態モデルに適応して、病態特有のプロファイリング解析に繋げていく基礎技術が確立された。
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